[国スポ少年男子]バックアップから大会直前にメンバー変更。広島県DF井上礼治(瀬戸内)が怪我の“田川君の思い”も背負って戦い、優勝ゴール!
[9.25 国スポ少年男子決勝 佐賀県 1-2(延長)広島県 駅スタ] バックアップメンバーから加わったDFが、全国大会決勝で優勝ゴールを決めた。1-1の延長前半9分、広島県はMF河上颯希(広島ユース、1年)の右CKを大外のFW信重亮二朗(広島ユース、1年)が頭で折り返す。ゴール前で佐賀県DFが身体に当てたが、このボールが背番号8の足元へ。DF井上礼治(瀬戸内高、1年)が右足を振り抜くと、ボールはDFに当たってそのままゴールへ吸い込まれた。 【写真】「めっちゃカメラに抜かれてた」「それにしてもかわいい」“勝利の女神”が再び降臨 「もう、最高でした。こぼれ球で、目の前に来た瞬間にもう身体が勝手に反応して、右足振れて、それが相手に当たったんですけど、ゴール入ってめっちゃ嬉しかったです」。このCKで自分が頭で決めるつもりだったという井上。形は違ったものの、自身の優勝ゴールを素直に喜んでいた。 井上は国スポの全4試合に先発出場。180cmの高さと球際の強さ、水準以上のスピードも備えるDFは相手の前に巧みに足を出してボールを奪うような上手さもある。中学時代は無名のボランチ。瀬戸内進学後の今夏、田中健二郎監督の「先のことを考えたらCBの方がいい」という提案でCBへ転向したばかりだ。 そのDFは国スポ広島県選抜のバックアップメンバーだったが、瀬戸内のチームメートであるMF田川英知(1年)の怪我によって、大会直前に本メンバーに。「田川君も出たかったと思うので、その思いは絶対に忘れちゃいけないと思って、絶対優勝するんだっていう気持ちは人一倍強かったです」。その思いが、苦しい時も力になった。 井上は、大会直前のプリンスリーグ中国に初先発し、危ない場面がありながらも快勝に貢献した。広島県の遠藤真仁監督(広島ユース)はこの勢いを買い、国スポでの井上の先発起用を決断。3バックの一角として堅守・広島県を支えた井上は、田中監督と田川も応援に駆けつけた決勝で優勝ゴールを決めた。 試合後、田川からは「ナイス!と言われました」と笑顔。今後はその田川や瀬戸内のチームメートとともに成長と勝利を目指していく。「この経験をチームに帰っても活かして、常に上目指して、もっともっと勝っていけるように、自分がもっと成長できるようにこれからも頑張りたいと思います」。国スポを通じて広島県で最も成長した一人。まだまだ成長を続け、瀬戸内でも勝利に貢献する。