クルマ買い取り界隈にはびこる悪徳業者! 巧妙な手口とダマされない手段とは
インチキ査定
悪徳買い取り業者のデフォルトな手口で、上で述べてきたように難癖やささいな瑕疵を誇張して買い取り額を下げてくるのです。なかには、「ありもしないキズやへこみ」を捏造したり、一般ユーザーの目が届かないパーツ、デバイスなどにケチをつけてくるのです。「液晶画面が荒れている」とか「ワイパーモーターが焼き付きそう」などなど、よくそこまで考えつくなと苦笑いさえ浮かぶもの。 とはいえ、買い取り査定がフェイクなのか正規のしっかりしたものなのか見極めるのはさほど簡単ではありません。ここは面倒かもしれませんが、正規ディーラーや地元の修理工場といった信頼のおけるところで事前にチェックしてもらうのが吉。ちなみに、事前チェックを依頼したら嫌がられたり、おざなりなチェックに終始したとしたら「ちょっとした悪徳業者が見つかった」と考えればいいでしょう。後悔しない買い取り/下取りに手間ひまのかからないソリューションはないのです。
契約に潜む数々の罠
これまた被害者の多くが口にするものですが、「契約書になかった手数料がとられた」とか「契約書を交わす前にクルマをもっていかれた」あるいは「クーリングオフができるとだまされた」と、確信犯的なやり口です。 まず、不明瞭な手数料などというのは論外で、契約書があろうとなかろうと取引が成立するものではありません。しかるべく訴えればすぐさま取り戻せるはず。 また、契約前にはいかなる理由を並べられようとクルマを引き渡してはいけません。チンピラがイキってこようと、事前査定だなんだといわれようと絶対ダメ。その時点で悪徳業者だと断定して、家のドアも口もぴしゃりと閉じましょう。そして、クーリングオフは中古車売買においては無効となる仕組みですから、この言葉が出た時点でアウト! 悪徳業者に決定です。 契約にまつわるトラブルこそさまざまなケースが明らかになっていますので、業者を選定する前にしっかり勉強しておくことが重要と考えられます。 ここまで述べてきたポイントをしっかりクリアできれば、納得いく買い取りが成立するはず。ですが、悪徳業者を警戒しすぎることはいまのご時世「カスタマーハラスメント」のレッテルを貼られる危険性もはらんでいます。 良心的な業者を見極めたいがゆえに、「石橋をたたいて渡る」のは結構ですが、石橋をたたきすぎて壊してしまうことのないよう、くれぐれもお気を付けください。面倒な世のなかになったものですが、これも気もちのいいカーライフを過ごすためだと考えるほかないでしょう。
石橋 寛