え? そうなの!? 実は五輪に出たことがない日本代表のスター選手10人。意外にも…。歴史に名を刻む名手たち
今や世界が知るMF! リオ五輪から落選した技巧派
MF:鎌田大地(かまだ・だいち) 生年月日:1996年8月5日 逃した五輪:リオデジャネイロ五輪(2016年) A代表通算成績:33試合7得点5アシスト 鎌田大地も、五輪落選後にA代表での地位を築いていった選手の1人だ。 リオデジャネイロ五輪が開幕する直前の2016年5月、鎌田はトゥーロン国際大会に挑むU-23日本代表に招集された。同大会ではトップ下で起用され、リオデジャネイロ五輪への招集も期待されたが、最終的に鎌田が五輪行きの切符を手にすることはなかった。 2019年3月にA代表へ初招集されると、鎌田はタレント揃いの激戦区である森保ジャパンの中盤で存在感を放っていった。カタールで開催された2022 FIFAワールドカップでは、ドイツ代表やスペイン代表を下して世界を驚かせたチームの中心として活躍。グループステージ初戦のドイツ代表戦ではトップの走行距離を記録し、歴史的白星の立役者となった。 リオデジャネイロ五輪落選時、鎌田はどのような感情を抱えていたのか。その答えに行き着くようなコメントはほとんど世に出ていないが、サッカーに対してひたむきな姿勢を崩さない男はさらなるレベルアップを心に誓っていたのだろう。今月1日には、クリスタル・パレスFCに完全移籍することが発表された。新シーズン、鎌田はイングランド・プレミアリーグに初挑戦することになる。リオ五輪メンバー選外で味わった悔しさは、鎌田をまだ見ぬ高みに押し上げていく。
落選→試合中に涙。後にロシアW杯で輝く男
MF:原口元気(はらぐち・げんき) 生年月日:1991年5月9日 逃した五輪:ロンドン五輪(2012年) A代表通算成績:74試合11得点7アシスト 原口元気も、五輪落選のショックを逆に力へと変えていった戦士だ。 ロンドン五輪メンバーから漏れた直後、原口はJリーグのサガン鳥栖戦に臨んだ。2点リードで迎えた後半序盤の52分と54分に連続ゴールをマークすると、原口は試合中にもかかわらず号泣した。土砂降りの雨に混じって流れたその涙には、五輪に懸けた強い思いが含まれていた。 原口の苦悩は続く。2014 FIFAワールドカップ の出場を目指すも、アルベルト・ザッケローニ監督に選ばれることなく、ブラジル行きの夢が潰えたのだ。2014年5月、時をほぼ同じくして、原口は浦和レッズからヘルタ・ベルリンに完全移籍。ドイツ・ブンデスリーガで、がむしゃらに己の向上を目指した。すると、原口は次第にA代表に欠かせない存在となっていく。2018 FIFAワールドカップ ロシアのアジア最終予選では4試合連続得点を記録。当時の記録としては、最終予選では史上初となる快挙だった。 2018年5月、西野朗監督が発表したワールドカップメンバーには原口の名前があった。本大会、原口はラウンド16のベルギー代表戦で先制弾をマークするなど、チームに大きく貢献。ロンドンとブラジルへ通じなかった道は、ロシアにつながっていた。