2025年、新たに開館&リニューアルオープンする国内美術館5選。
●【香川】2025年春:〈直島新美術館〉開館
近年、急速に進化している国内の美術館。来年も新しくオープンする美術館や、リニューアルする美術館が私たちを待っています。建築も所蔵コレクションも楽しみな5館を紹介します。 【フォトギャラリーを見る】 いまや「アートの島」として世界中から多くの人が訪れる直島に新しい美術館がオープンする。「ベネッセアートサイト直島」で〈地中美術館〉などを設計してきた安藤忠雄の手による10軒目の美術館だ。建物は地下2階、地上1階の3層からなる。自然や集落と一体化した建物からは大きな窓ごしに穏やかな瀬戸内海が望める。館長はパリのパレ・ド・トーキョーのチーフ/シニア・キュレーターや2011年ヨコハマ・トリエンナーレのアーティスティック・ディレクターを務め、アジアやヨーロッパで多くの展覧会を手がけた三木あき子。ロゴデザインは祖父江慎が担当した。 開館年記念展示として会田誠、蔡國強、ヘリ・ドノ、ハルシャらが参加する展覧会が開かれる。世界に開かれた島にまた一つ、訪れるべきアートの拠点が生まれる。
●【鳥取】2025年3月:〈鳥取県立美術館〉開館
2024年に逝去した槇文彦が率いた槇総合計画事務所の設計による美術館。建物は2024年3月に竣工、イベントなどで部分的に開館していたが、2025年3月に正式に開館する。 「倉吉パークスクエア」の一角に建つ美術館に入ると「ひろま」と呼ばれる3階までの吹き抜けが出迎える。3階の展望テラスなど、外部とのつながりを感じられるスペースも。1階はカフェやキッズスペースを含め、基本的に無料で入れる。2階から3階にはダイナミックな現代美術にも小さな仏像などにも対応できる大小さまざまな展示室がある。
開館記念展『アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術―若冲からウォーホル、リヒターへ』は江戸時代から現代まで、また日本だけでなく海外の作品もある同館のコレクションだけでなく、他館の作品も展示される充実の内容だ。美術のもっとも大きなテーマの一つである「何が“リアル”か」という問いへのさまざな回答が示される。