なぜ阪神は横浜DeNA戦で7点リードを守れなかったのか?
横浜DeNAと阪神の“寂しい2位攻防戦”が8日、横浜スタジアムで行われ、0-7の劣勢から横浜DeNAが6回に7得点を奪う猛攻を見せて引き分けに持ち込んだ。勝敗を分けたのは阪神ベンチの継投ミスと守備のミス。矢野監督の采配が後手、後手に回り横浜DeNAの猛攻を止められず7点のリードを守りきれないという失態を招いた。ただ、首位の巨人が勝ったため、横浜DeNAとのゲーム差が「8.5」に開く”寂しい2位攻防戦”となった。
4番佐野の追撃11号3ランで空気一変
試合開始が午後5時45分となっているのには理由がある。2012年から続けている夏のイベント『YOKOHAMA STAR☆NIGHT2020』の催しが試合後に行われるためだ。県の条例により午後9時35分までに試合が終わっていなければイベント開催が中止になるため、試合開始が15分繰り上げられているのだ。「Supernova(超新星爆発)」をテーマにベイスターズナインを宇宙戦士に見立てたSF映画風の凝ったムービーが流され、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の弦楽四重奏の生演奏をバックに、レーザー、花火を使った評判のエンターテインメントショーで敗戦後では盛り上がりに欠ける。ラミレス監督が「イベントにふさわしい結果を届けたい」と、勝利にこだわり、現場もフロントも絶対に負けられないと誓う3連戦の初戦だった。 ベイスターズが「負けられない試合」なら、タイガースは「負けてはならない試合」だった。 初回に大山が満塁本塁打。3回にも2打席連続の2ランの6打点と爆発し5回にはサンズの16号ソロも出た。7点の大量リードを奪い、先発のガルシアは、5回まで3安打5奪三振、無失点と横浜DeNA打線を封じ込んでいた。 だが、6回、突然、異変が起きる。ガルシアのコントロールが狂い始めたのだ。梶谷、大和に連続四球を与えソトにレフト線へのタイムリー二塁打を浴びた。まず1点。走者を2人残して、4番の佐野に対しての初球に、ど真ん中のスライダーを投じて無人のライトスタンドの上段へ3ランを打たれた。失投だった。 ラミレス監督は佐野の追撃の11号を「非常に大きいホームラン。ランナーを2人おいて初球にストライクがきたらアグレッシブにいってしっかりと振る。4番のあるべき姿を体現してくれた」と絶賛した。佐野は、ファーストストライクを積極的に仕留めにいくスタイルを貫き首位打者に君臨する好成績を残している。 矢野監督が、梅野を外してまで、ガルシアの“女房役”に指名している坂本は、ミットを低めに構えようとしていた、おそらく、そのデータがわかっていながら、ガルシアがコントロールできなかったのだろう。だが、そのリスクを回避するような配球ではなかった。