債券下落、CPI控え米金利上昇の流れ-日銀利上げ先送り観測は支え
(ブルームバーグ): 11日の債券相場は下落している。消費者物価指数(CPI)の発表や国債入札を控え米国の長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売りが優勢だ。一方、日本銀行の追加利上げが先送りされるとの観測も強まっており、相場を下支えしている。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、売り先行後は米CPI発表を控えて積極的な取引が控えられていると指摘。日銀の金融政策については「来週の利上げは見送りが濃厚で1月利上げの見方が依然多いが、ゆっくり見極めるなら3月まで先送りされる可能性もある」との見方を示し、「債券相場は上値が重いが、下値も堅い」と述べた。
財務省は午後4時から国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合を開催する予定で、来年度国債発行計画を巡る話し合いに注目が集まっている。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、「一般会計の予算規模が見通せない段階で、市場を動かすような具体的な情報はないだろう」とみている。
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Saburo Funabiki