海外セレブに「セクシーな秘書」ファッションがトレンド?!大人気の「ベヨネッタ」メガネとは
以前は「古臭い」と言われたメガネが、今や女の子たちの間でオシャレなアイテムとしてもてはやされている。ランウェイやTikTok、女性インフルエンサーたちの影響で人気となっているのはどんなメガネなのか、詳しく見てみよう。 【写真】セクシーメガネの火付け役、ベラ・ハディッドとガブリエット! Z世代に人気なのは「ベヨネッタ」メガネだ。いかにも真面目そうな雰囲気を漂わせる小物が数ヶ月前からカムバックし、2024年も人気が継続しそうな勢いだ。どんなメガネかと言えばスクエアな長方形タイプでレンズは透明、フレームの素材はブラック、べっこう風あるいは金属製だ。いかにも2000年代のオタク風メガネだが、これが一転、セクシーと感じさせるのが、流行を優しく形作る"時"という要素なのだ。長い間片隅に追いやられていたバレエシューズやレッグウォーマー、UGGシューズのように、古臭いとされたメガネが今では注目のファッションアイテムとなっている。 TikTokでは、#bayonettaglasses というハッシュタグだけで5,500万回近くのビューがある。「ベヨネッタ」のネーミングは一体どこから来たのだろうと不思議に思う人もいるだろう。これは同名のビデオゲームに由来しており、主人公は超自然的な生物と戦う豊満なメガネ魔女だ。バーチャルな世界で超セクシーかつパワフルな女性として描かれるベヨネッタは、妄想の対象であると同時に憧れの存在でもある。
メガネの社会学
メガネをかける女性はオフィスで長い間、ジェンダーバイアスの対象だった。その一方でポルノ画像に触発された男性たちは、お団子ヘアにキリッとしたスーツを着た女性たちが自分の魅力にメロメロになり、解き放たれる姿を妄想した。2013年のある調査によると、男性の36%は秘書(セクレタリー)という存在に一番、想像力をかきたてられるそうだ。ロラン・バルトの『記号論の原理』によれば、あらゆる慣用はその慣用の記号となる傾向がある。だからこうした男性の想像力はメガネ女性の概念を変容させる。彼女たちはもはや単なる近眼の女性ではなく、魅惑的な女性とみなされる。作家でもあった大学教授のフランク・エヴラールが2003年に執筆した『L'Érotique des lunettes(原題訳:メガネのエロティシズム)』で説いているように、(たとえば学校の校庭で体験した)「屈辱的な現実」を逆転させ、「魅力的でモダンな存在」となることが可能なのだ。女性たちは自らトレンドの鍵を握り、古臭さを新しさに書き換えた。