大阪「みさき公園」63年の歴史に幕 最後の園長あいさつに温かい声援も
大阪府岬町の遊園地と動物園を併設する「みさき公園」が31日、営業を終了した。1957年に開園し、大阪と和歌山のファミリー層を中心に人気を集めたが、近年は来園者が減少。31日に南海電鉄が運営を撤退すると同時に閉園した。営業終了時には、同園園長が来園者に向け、最後のお礼の言葉を述べ、温かい拍手と歓声が贈られる中、同園は63年という長い営業の歴史に幕を閉じた。 【映像】みさき公園・閉園後の園内で真貝征志郎園長が会見「今は終わったなというのが率直な感想」
1957年に開園、大阪府や和歌山県のファミリー層を中心に人気を集めた
南海電鉄によると、同園は1957年に開園。動物園と遊園地を併設し、みさき公園駅のある南海本線沿線の大阪府内のファミリー層を中心に人気を集め、和歌山県からの来園者も多く、年間来場者数は1966年度は約96万人、1989年度に72万人を記録した。 しかし、近年は減少傾向が続き、2017年度は約36万人、2018年度は約33万6千人となるなどして営業損益の赤字が続き、昨年3月に南海電鉄が運営撤退を発表。その後、後継会社を探し、名乗りをあげた事業者もいたものの実現には至らず、今月末での営業終了・閉園が決まった。
卒園展など屋内イベントはすべて中止
同園では、最後の営業時にこれまでの歴史を多数の写真で振り返る「卒園展」や、利用客も参加できるポスター制作など数々のイベントを企画していた。そして、ようやく準備ができた直後、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、それらのイベントはほとんどが中止となった。
繰り返された休園と営業再開
先月29日から臨時休園となり、その後、期間を延長。その際には、休園のまま営業終了・閉園という検討もされた。しかし、同園には連日、多くの利用客から「最後に少しでも営業してほしい」「(新型コロナウイルスの影響もあったので)閉園自体を延期してほしい」という声もあった。 そうした声を受け、24日に屋外施設のみの営業再開を決定。人気の観覧車やお化け屋敷などの屋内施設の営業はすべて休止し、来園者の入園時の検温、手のアルコール消毒を徹底するなどし、南海電鉄本社社員らも応援にかけつけ、最後の営業を実施することになった。 しかし、今度は27日に大阪府が外出自粛要請を出したため、最後の土日営業日のはずだった28、29両日は再び休園。30、31両日に営業を再開するなど、最後の最後まで新型コロナウイルスに振り回される結果となった。