大阪「みさき公園」63年の歴史に幕 最後の園長あいさつに温かい声援も
みさき公園らしく「ほんわかとした笑顔」で帰ってほしい
31日朝、同園には早くから行列ができ、人と人との距離をとるため30分近く営業時間を早めた。同園の真貝征志郎園長は「63年間営業を続けることができたのも、たくさんの皆様に支えられてのものだと思っています。きょうも皆様にみさき公園らしく『ほんわか』とした笑顔になって帰っていただけたらなあと思っております」と話していた。 真貝園長は5年前に園長に就任。最初の年には、同園では22年ぶりのキリンの赤ちゃんが誕生し、来園者からもかわいがられた光景は、いちばんの思い出だという。 最終営業日となる31日午前、真貝園長は「きょう営業できるかどうか、朝まで不安でした。外出自粛要請などが出たら急きょ休園せざるを得ないと考えていましたから」と話す。 そして「毎日、我々だけでなく、新型コロナウイルスで皆さん大変な思いをされている中、営業を再開させていただいてよかったと思っております。開園後は、たくさん声もかけていただいて、みさき公園は地元の方々に愛されていたんだなあと改めて思いました」と続けた。
来園者「きょうは会社を休んできた」
そんな中で最終日を迎えたわけだが、閉園時間が迫ると、年配の来園者からは「寂しすぎる」「小さい時から来ていたのでなくなるのはつらい」という声、子どもたちからは「みさき公園が好きだから、なくなってほしくない」という声も多数聞かれた。 泉佐野市から来たという40代の会社員男性は「きょうは会社を休んできました。子どものころから慣れ親しんだ場所、子どももずっと休校だったので、きょうは一緒に来ました。最後まで感染拡大防止策をしていただいて、思い出も作れたので感謝です。けど、新型コロナウイルスがなければとも思いました」と話す。 岸和田市から来たという60代の夫婦は「私たちも子どものころからお世話になっています。こんな形でお別れになるのはちょっと寂しいけど、ここでデートしたり、子どもたちと訪れた思い出は永遠です。本当にありがとうと言いたい」と話していた。