NTT、世界初の455Tbit/s光通信に成功 現行の50倍以上
NTTは、世界で初めて、陸上フィールド環境での最大455Tbit/s(テラビット毎秒)の信号伝送に成功した。外乱によって光ファイバーケーブル内の信号伝搬環境が変動するフィールド環境下において実現したもので、速度は現行システムの50倍以上。 【この記事に関する別の画像を見る】 現在のネットワークで使われている光ファイバは、1本のファイバに1つの「コア」と呼ばれる光の導波路を持つ構造だが、今回の実証には、既存光ファイバと同等の細さながら、12のコアを持つマルチコアファイバを利用。これを商用の高密度多心ケーブルに実装・接続した陸上フィールド環境で、大規模MIMO信号処理技術を適用し、53.5kmの伝送距離で455Tbit/sの大容量伝送を実証した。 さらに、日本の基幹光ネットワークの大動脈である東名阪区間をカバー可能な1,017kmの伝送距離において、389Tbit/sの中継増幅伝送にも成功。従来の50倍以上の伝送容量を持つ将来の陸上光伝送システムを実現する基盤技術となる。 今後は、関連技術分野と連携し研究開発を進めることで、2030年代のIOWN構想・Beyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤の実現に貢献する、大容量陸上ネットワークの実用化をめざす。
Impress Watch,清宮信志