平均月収40万円…日本のサラリーマンが唖然とする「手取り額」、さらなる負担増で「自助努力」さえできない悲惨
手取りは額面の4分の3…さらなる負担増も既定路線
厳しい状況が続くサラリーマンですが、先月の給料日や、夏の賞与の支給日には、定額減税により手取りがアップ。久々に笑顔になった人も多いのでは。 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると。サラリーマン(正社員・平均年齢43.6歳)の平均給与は、手当て込みの月収が39万9,600円、賞与(117万円)込みの年収が596万9,700円です。 月収40万円とすると、手取りは30万2,800円ほど。額面の75%ほどになります。一方、賞与117万円に対し、手取りは90万円弱。額面の76%ほどになります。つまり実際は額面の4分の3しか手にできないというのが日本の平均的なサラリーマンです。 ■平均的な日本のサラリーマンの給与「額面と手取り額」 項目年収月給ボーナス額面収入 5,970,000円 400,000円 1,170,000円 所得税 192,600円 12,905円 37,745円 住民税 300,100円 20,107円 58,813円 健康保険 304,500円 20,500円 58,500円 厚生年金 557,235円 37,515円 107,055円 介護保険 55,419円 3,731円 10,647円 雇用保険 35,820円 2,400円 7,020円 手取り額 4,524,326円 302,842円 890,220円 給与明細をみるたびに唖然としていた手取り額。ただ改めて聞かされると「こんなに引かれていたんだ」と肩を落とす人も。それだけに、今回の定額減税、「1回や2回、手取りが増えたとて」と言いつつも、やはり笑みがこぼれたことでしょう。 ただし、良いことがあれば、悪いことも。この春、大々的に報じられていた「子ども・子育て支援金」。少子化対策の財源確保のため公的医療保険料と併せて徴収するといったもので、政府の試算によれば、被保険者1人あたり月450円になるとか。賃上げや歳出改革により「実質的な負担は生じない」と繰り返し説明していたものの、保険料で徴収するわけなので、手取り減であることに変わりはありません。少子高齢化が進行しているなか、さらなる負担は仕方がないと分かっていながらもモヤモヤ感が残ります。 国民全体の所得に占める税金や社会保険料の負担の割合を指す「国民負担率」は右肩上がり。しかし高福祉のヨーロッパ諸国は日本を超えることから、「まだまだ日本国民は負担できる!」と主張する関係者は多く、さらなる負担増は既定路線といえます(図表2)。 また日本は現役世代が高齢者を支えるという仕組みのため、天引き額が増えるからといって、その分、自身の将来=老後が安泰というわけではありません。今以上に年金が増えるなんて期待できないというのも既定路線のため、国もそれぞれに自助努力を呼びかけている状況です。 しかし、そんな努力さえできないという人も。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯]令和5年』によると、「預貯金で日常の出し入れ・引き落としに備えているお金さえない」と回答した人が3.1%。この数値は近年、増加傾向にあります。「せめて、努力くらいさせてほしい……」、そんな悲痛な声があふれています。 [参照] 厚生労働省『毎月勤労統計調査』 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』 厚生労働省『令和5年版厚生労働白書』 金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯]令和5年』