軽度知的障害に加えて、6歳で自閉症の診断も。療育園に通う中、年長でできることがぐーんと増えた【ウエスト症候群体験談】
じょーくんの将来を考えて、まきさんは仕事を継続
じょーくんがウエスト症候群と診断されたのは、もうすぐ育休が明けて仕事復帰するという年度末でした。 「ウエスト症候群と診断されたときは『私、もう仕事ができないかも…』と思いながら、勤め先にじょーくんの状況を説明しました。すると社長が『気にしないでいいよ! お子さんのそばに付いていてあげて。落ち着いたらいつでも戻っておいで』と言ってくれて育休を延長してくれました。 4月に入園予定だった長女と同じ保育園も、事情を説明したところ、入園を待ってくれました。とてもありがたかったです。 夫とも『将来のことを考えると、少しでもお金を貯めておいてあげよう。長女に負担をかけないように』と話し、できるだけ共働きを続けることにしたんです。 じょーくんが年長になった今でもうちは共働きで、私は正社員で海外こども服のオンラインショップの運営をしています。じょーくんがきっかけで海外の子ども服の魅力にハマり、今では仕事につながっていることが幸せです」(まきさん) じょーくんは、年中の夏ごろまでは保育園と2カ所の療育に通っていました。送迎が大変だったとまきさんは言います。 「保育園と2カ所の療育のほか、月に1回OT(作業療法)を受け、3カ月に1回発達外来の受診、半年に1回脳波検査を受けに行くなど、忙しい日々でした。上の子の用事もあります。みなさん働きながら、どのように調整してやっているんだろう? と思いました」(まきさん) じょーくんは、今、年長です。年中の秋から療育園に移りました。 「近くに住む夫のお母さんが仕事を退職することになり、『じょーくんの送迎、手伝えるよ』と言ってもらえたので、療育園に通うことにしました。療育園の迎えのバスが来るのは、朝9時半です。私は朝9時の出社なので、これまでは時間が合わずに療育園をあきらめていたんです。夫のお母さんには感謝しています」(まきさん)
年長になり、ひらがなで名前が書けるなど目覚ましく成長
じょーくんは、言葉の遅れがあり、コミュニケーションが苦手。かんしゃくを起こしやすい面もあります。 「年長になって受けた発達検査で自閉スペクトラム症と診断されました。軽度知的障害もあるので、療育手帳をもらっています。 じょーくんは今、年長なので、来年春の就学を考えなくてはいけません。つい2カ月ほど前まで夫と私は、特別支援学校への入学を前提に考えていて、じょーくんが年中のときから見学にも行っていました」(まきさん) しかし年長になって、じょーくんはできることがぐんと増えました。 「年長の6月ごろから、絵を描くことに興味を持つようになりました。そのころから変わり始めたんです。自分の名前をひらがなで書いたり、アルファベットも書けるようになりしました。 これまでは『今日の給食は何だった? 』と聞くと、コミュニケーションが苦手なため無視されるようなことが多かったのですが、最近は『〇〇だよ』と答えます。園の献立と照らし合わせると、本当にそのメニューなんです。 以前は、言葉で気持ちを伝えられなかったので、かんしゃくを起こすことが多かったのですが、今は『〇〇して!』と言葉で伝えられるようにもなりました。 療育園の先生が言うには、年長はぐんと伸びる時期だそうです」(まきさん) じょーくんの発達に合わせて、就学も特別支援学校と支援学級が候補になりました。 「先日、親子で就学相談に行きました。支援学級、特別支援学校、じょーくんが通う療育園の先生などが集います。 最初はじょーくんに『お名前は? 』『何歳ですか? 』といった質問などをしていました。その後は、じょーくんは席をはずして、就学についての話し合いです。 その席で、特別支援学校の先生からは『じょーくんが特別支援学校に来たら、リーダー的な存在になると思います。でも子どもは、まわりの子どもたちから刺激を受けて伸びる面があり、じょーくんは特別支援学校だと、まわりの子から受ける刺激は少ないと思う』との言葉がありました。そして支援学級の先生からは『人手がたりないから、こまかく見てあげられないかもしれない』と言われて、皆さんそれぞれにじょーくんのことを考えてくれていることは理解しつつ、親として何がベストなのかわからなくなってしまいました』(まきさん)
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