パート勤務で社会保険に加入したものの、子どもの体調不良による保育園休みで働けない。社会保険料は減らないの?
社会保険料の負担額
社会保険の加入対象かどうかについては、勤務先との雇用契約などにより前述の要件をみたすかどうかで決まりますが、社会保険適用となった場合の保険料負担については、フルタイムかパートかの区別なく報酬月額の区分(等級)によって定められています。 等級は、健康保険1~35等級、厚生年金保険1~50等級に区分されます(※2)。
加入する健保組合や都道府県にもよりますが、上記保険料額表を参照すると、例えば、月額賃金が12万円であった場合、8等級(厚生年金保険については5等級)に該当し、被保険者負担は、健康保険料は5888円、厚生年金保険料は1万797円が給与から差し引かれることになります。
勤務先に相談してみる
社会保険の保険料は、雇用契約にもとづいた報酬月額によって決定されます。 ただし、被保険者の報酬が、時給の変更や手当の支給など固定的賃金の変動にともない大幅(2等級以上)に変わる場合には、標準報酬月額の改定を行う「随時改定」に該当します。つまり、随時改定により社会保険料負担の変動(調整)を行うことができます。 とは言え、あくまでも、固定的賃金に大幅な変動があった場合であり、随時改定の対象となるのは、手当など含むすべての支給額ではありません。また、パートなど短時間労働者の場合、支払基礎日数が1月あたり11日以上必要です。 また、そもそも、現在の等級が下限である場合には、下がりようがないことも注意点です。 残念ながら、現状としては、子どもの体調不良などでパートの収入が減ったとしても、社会保険加入における軽減措置は難しいでしょう。将来の年金受給などをふまえると、社会保険加入での働き方は、保険料を負担してもメリットとなり得ます。 ただ、就学前の子育て世代では、思うように働けないこともあります。今は、子どもを優先する時期ととらえ、無理のない働き方を選ぶことも選択肢かもしれません。家族の協力や今後のこともふまえ、総合的に考えてみてください。そのうえで、勤務先に相談してみてはいかがでしょう。 出典 (※1)短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大 (※2)全国健康保険協会(協会けんぽ)令和6年度保険料額表 執筆者:大竹麻佐子 CFP(R)認定者・相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部