旅客回復で4期連続増収、JR4社4-9月期の全容
JR上場4社の2024年4―9月期連結決算が6日出そろい、インバウンド(訪日外国人)を中心とした旅客需要の回復などにより運輸収入が好調で4社ともに4期連続の増収となった。JR東日本、JR東海は全利益項目で増益。JR西日本は大阪駅周辺の複合ビル開発の費用増などで4期ぶりの営業減益、JR九州も当期減益となった。 新型コロナウイルス収束後の人流拡大で、鉄道事業に加え、流通事業なども好調で、業績回復が続いている。 運輸収入はJR東日本が同6・1%増の8788億円、JR東海が同7・1%増の6864億円、JR西日本が同6・7%増の4346億円、JR九州は同4・1%増の704億円。前年同期比で4―7%の増収となり、人流の拡大が収益に直結している。 運輸収入を押し上げるインバウンド収入は、JR東日本が同3・3%増の167億円、JR東海が同36・8%増の520億円、JR西日本が同12・3%増の192億円。JR東海は推計を開始した18年4―9月期以降、過去最高となった。JR西日本もこれまで最高だった19年4―9月期を上回り過去最高。JR東日本は増収だったものの計画は下回り、伊藤敦子常務は「西に向かっているインバウンドをいかに東に向けるか、戦略を考えていきたい」と述べた。 25年3月期業績予想はJR東海が運輸収入が計画を上回ったことなどを受け、売上高と全利益段階で上方修正した。JR東日本はインバウンドのほか新幹線の運輸収入も計画を下回っていることなどから据え置いた。JR西日本、JR九州も据え置いた。坪根英慈JR西日本取締役専務執行役員は「インバウンドは10月以降は強い動き。通期では想定通りを見込む」と述べた。