実装面積60%小さく…TDK、“業界最小”車載インダクター量産へ
TDKは19日、車載向けのインダクターを開発し、量産を始めたと発表した。電気信号を正しく伝送するのに役立ち、安全運転に寄与する。材料や設計の工夫で従来品と比べて実装面積を約60%小さくした。また、1本のケーブルで信号と電力を伝送する方法「PoC」に対応。ケーブルを削減でき、車体の軽量化にもつながる。当初生産個数は月間2000万個を想定。サンプル価格は消費税抜きで1個当たり30円。 【写真】TDKの車載インダクター 子会社のTDKエレクトロニクスファクトリーズの大内工場(秋田県由利本荘市)で生産する。製品名は「MLJ1005―Gシリーズ=写真」。車載カメラと電子制御ユニット(ECU)間で信号を正確にやりとりするために、複数のインダクターを使う。 中でも、新製品は毎秒10ギガビット(ギガは10億、Gbps)以上の高周波数帯に対応。さらに周波数が100メガヘルツ(メガは100万)で200ミリアンペアの電気を流した場合、一般的にはインピーダンス(交流電流の流れにくさ量)が85%低下していたが、新製品では40%の低下に抑えて、信号の質を維持する。 新製品は長さ1ミリ×幅0・5ミリ×高さ0・5ミリメートル。PoC向け積層インダクターとしては業界最小だという。