新時代の仕事「ロボット管制」ってなに? どんな業務なのか、NTT Comを取材した!
少子高齢化の影響で、今後さらに労働者不足が加速する日本にとって、AIやロボットは欠かせない存在だ。“AIやロボットに仕事を奪われる”と思う人もいるかもしれないが、その裏で人がロボットを管理するという新しい仕事も誕生しているのだ。 【写真】これが実際の管制室内の様子だ!(全24枚)
ロボット管制ってどんなイメージ?
日本で少子高齢化が急速に進むなか、物流・運送業においても労働者の人手不足が深刻化しつつある。このような問題を解消する手段のひとつとして、今後は AIやロボットが人に代わって運搬業務を行うようになるだろう。 物流・ロジスティクスの分野においては、ロボットの自動運転は前々から実用化されている。例えば、私たちにとって身近な存在である“通販”では、ロボットが倉庫内で注文が入った商品をピッキングしたり、自動配送させている企業が存在する。なぜこの分野で自動配送の普及が進むのかというと、公道と違い、敷地内では人が立ち入らない場所や、ロボットが効率よく動ける環境を用意しやすく、運用へのハードルが低くなるためだ。 ■【遠隔操作型小型車】での無人サービスが解禁 ただし、これが公道となると話は変わる。たしかに、公道でEVミニカーやEVバスなどを用いた自動運転の実証実験は全国で実施されているが、安全性の確保や法の整備が追いついていない。そのため、これらのモビリティが公道で無人の自動運転をすることは、現在でもハードルが高い。 だが2023年4月に施行された改正道路交通法により、「遠隔操作型小型車※」であれば、遠隔でもオペレーターを配置することで、無人でサービスを提供することが可能となった。 (※遠隔操作型小型車とは、人または物を運送するための小型車のうち、遠隔操作により通行させることができるものであり、車体の大きさや構造が他の歩行者の通行を妨げないものを指す。また、遠隔操作により道路を通行するときは、歩行者としての通行方法に従う必要がある。) そこで、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、ロボットを導入する企業に対し、業務環境および体制を整備し、ロボットの運用業務を一元で請け負うサービス「RobiCo(ロビコ)」の提供を2023年10月から開始している。 今回、筆者はロボットによる無人配達の実証実験現場に同行。その後、遠隔からロボットを監視している様子を見学させていただいた。 ちなみに、ロボット管制という言葉はNTT Comが“航空交通管制”の様子からヒントを得て、こう呼び始めたそうだ。“ロボットの監視”、“自動運転見守り”、“遠隔オペレーター”といった言葉を思い浮かべれば、なんとなくロボット管制という仕事を連想できるのではないだろうか。