新時代の仕事「ロボット管制」ってなに? どんな業務なのか、NTT Comを取材した!
イメージ通り? 管制室はやっぱりモニターだらけ!
ロボット配達現場の次は、遠隔で管制する様子を見学させていただいた。ここでは、配達の様子をモニター越しに確認し、予定通りタスクが進行しているか確認することが主な業務となる。 注目すべきは、横に並んでいる2台のモニター画面だ。片方は、メーカーが用意したシステム画面で、ロボットのカメラ情報やGPS等をリアルタイムで確認できる。そして、もう一方には地図とロボットの現在地が映し出されており、こちらがNTT Comが開発したシステム画面となる。 RobiCoのサービスに含まれる機能に、メーカーやロボットの機種に依存せず、ひとつの画面で複数台のロボットを一括管理できるシステムがあり、これを「Robility management system(以下、RMS)」という。 ■RMSがないと、複数台の同時運用はかなり大変? 今回の実証実験では、配達ロボットは1台のみの稼動だ。しかし、前述したとおり、ひとり1台の管制では、人間が実際に配達するよりも効率が悪くなる。そのため、将来的には一人4台以上の管制が現実的なラインとなるという。 しかし、複数同時にモニタリングする場合、1台ずつそれぞれのモニター画面で状況を把握するのは困難となるため、これらを一括で管理するのがRMSの役割というわけだ。 ■ロボット管制業務は誰でもできるのか? 管制業務には二名のスタッフが配置され、一人が無線を使って現場でロボットの同行者と細かく連絡を取り、もう一人はRMSから配信された情報を元に運行計画の確定をしていた。 筆者は、見学するまでは管制室側はもっと余裕のあるイメージで、現場でなにか動きがあれば対応する、という姿を想像していた。しかし、一台のロボットだけでも、通行者回避、信号横断、待機中の周辺警戒など、現地スタッフと常に会話をしていた。実証実験中は、毎日5回ずつ配達を実施していたそうだが、ロボットの運用中は集中力が問われそうだ。 オペレーター業務を担当している成田さんも、「これが管制するロボットが4台、10台……と増えていけば、かなり大変かもしれません。ちょっと想像できないですね」とコメントしていた。 ロボット管制のオペレーターに関する要件には特に規定はなく、民間資格などメーカーの自主規制によるものとなる。ただし、筆者から見てもPC操作に慣れた人の方が職務に適しているように思えた。