新時代の仕事「ロボット管制」ってなに? どんな業務なのか、NTT Comを取材した!
ロボットの無人配達に、道行く人も興味津々!
■デリロを使った実証実験とは? では、実証実験の内容を説明しよう。まず、一般の顧客からフードデリバリーの注文が入ると、あらかじめプログラミングされた巡行ルート上を、ZMP社※の無人宅配ロボ「DeliRo(デリロ)」が、時速4kmで歩道を進み始める。そうして最初の目的地である飲食店で配達物を受け取り、次の指定場所まで移動して、注文した人のもとに届ける、というものだ。 ※ZMP社は東京に本社を構えるロボットベンチャー企業 配達中は、1名以上のスタッフがデリロに同行し、遠くの管制室にいるオペレーターと連携しながら、デリロがしっかりとルート上を安全に移動できているかを監視する。 配達物は、スマホアプリからQRコードをデリロに読み取らせることで、収納棚のロックを解除し、デリロに預けられる。注文した人も同様に、QRコードをデリロに読み取らせることで、商品を受け取れるという仕組みだ。 ■無人配達での課題とは? 筆者が同行した配達では、予定時刻より余裕をもって目的地に到着し、しっかりと商品を受け取り、注文した人のもとに届けていた。しかしこの間に、いくつかの課題についても説明してもらった。 例えば、自動走行する配達ロボットの珍しさからか、子どもや外国人観光客に囲まれて、デリロが身動きできなくなる瞬間があった。また、電波が弱い場所では映像を管制室に送信できず、手動で移動せざるを得ない場面があった。 他にも、現場を案内していただいたNTT Comの田代さんからは、「ロボット管制というサービスをマネタイズしていくうえで、どう収益化させていくかも大きな課題です。例えば今回も、単純な配達の対価だけではコストに見合わないため、配達とラッピング広告を組み合わせる工夫をしています」という事情も教えていただいた。 同行者がいない状態でどれだけイレギュラーに対応できるか、そして、このロボット配達で人間と同等以上の成果を出すための、複数台の同時運用など、さらなる工夫が必要だという。