犬好き必見!ドッグトレーニングを通して犬と暮らす日々の尊さを教えてくれる、新米ドッグトレーナーの成長ストーリー【書評】
人間は古くから人生の相棒として、しばしば犬と暮らしを共にしてきた。 【漫画】本編を読む
だが当然、人間と犬は同じ言葉で話すことはできない。それでも互いに、コミュニケーションをとることはできる。犬と関わる幸せや喜び、面白さ、そして難しさを教えてくれる、ドッグトレーナーたちによる物語。それが『DOG SIGNAL』(みやうち沙矢/KADOKAWA)である。 本作の主人公・佐村未祐は、元カノから押し付けられた犬の世話に手を焼いていたところ、凄腕ドッグトレーナー・丹羽眞一郎と出会う。 丹羽の鮮やかな犬への指示と、それにきちんと従う犬たち。その様子を見て自分も犬の勉強をさせてほしいと、未祐は彼のもとでドッグトレーナー研修生として働くことになった。 新米ドッグトレーナーとして経験を積む未祐のもとを訪れる、様々な犬たちと飼い主。 彼らとの出会いやふれあいを通して、未祐は少しずつ犬と共に暮らす楽しさや幸せを知っていく。 本作は犬好きにとってはたまらない一冊! 犬を今まさに飼っている人はもちろん、いろんな事情で犬は飼えない…けれど犬は大好き! という人には、犬を飼う“もしもの生活”を、たっぷり仮想体験させてくれる。 もちろん命を飼うということは、楽しいことや幸せなことばかりではない。 だからこそあえて、“犬を飼わない”という選択をしている人もいるはず。けれどそんな大変さや悩みも含めて、犬を飼う生活の素晴らしさを本作は教えてくれることだろう。 犬を飼っている人にとっては、今まさに直面している悩みを解決する糸口になる話題も作中にはたくさん散らばっている。専門家やプロに直接聞きに行くのがベストではあるが、飼い犬との日々の生活でちょっとした悩みや困り事がある人は、ぜひ参考にしてほしい。 心温まる犬たちとの日々や、ドッグトレーニングを通して多くのヒューマンストーリーを描く本作。読者からの好評の声を受け、2023年にはアニメ化も実現! 最新12巻では、子犬時代に多くの人々を悩ませる“あるある問題”から、シニア犬との向き合い方まで、実に様々なワンちゃんとのエピソードも収録されている。犬を愛するすべての人に、ぜひ読んでいただきたい。 文=ネゴト / 曽我美なつめ