「ジュエリーで幸せに」 2代目が受け継いだ存在価値から生まれた「ゆびわ言葉セレモニー」
主力商品以外の購入にもつながるお付き合い
購入後の納品やお付き合いにあまり時間をかけられないブランドもあるなか、AFFLUXでは「ゆびわ言葉セレモニー」に加えて、記念月には毎年、電話などで指輪のメンテナンスの案内をしています。 「結婚指輪はずっとつけているので汚れるんですよね。でも、家ではなかなか指輪のケアができず『怖いからちゃんとお任せしたい』という方が多いんです」 そのような顧客のため、安本さんは大阪梅田本店に商談スペースとは別に、顧客のためのカフェスペースを作りました。テーブルには携帯電話やパソコンの充電用のコンセントも完備しており、毎年の記念月や梅田に来るたびにメンテナンスに訪れる顧客もいるそうです。 購入前はもちろん、購入後も時間をかけて丁寧に信頼関係を築いていくことで、ブランドやスタッフのファンが増えていきました。安本さんが産休に入る前には、10人ほどの顧客がお祝いに駆けつけたといいます。 また、AFFLUXではネックレスやブレスレット、ピアス、親子でお揃いのデザインで作れるベビーリングなども取り扱っているため、誕生日や結婚記念日、出産などの記念日にもジュエリーを購入する顧客が増えています。 購入後のお付き合いを大切にすることは、主力商品である婚約・結婚指輪以外での売上にもつながっているのです。
お叱りも真摯に受け止め次に生かす
日々やりがいを持って仕事に励む安本さんですが、顧客に叱られたり、教わったりすることも多くあります。 「指輪をつくるのに時間がかかるため、私たちはお客様のご入籍や挙式のスケジュールについても伺っています。 あるお客様に店頭で対応したスタッフが、ご両親がいないことに気づかず『ご両家のお打ち合わせ』といった言葉を何回か言ってしまいました。 お客様はただ察して欲しかったのに、繰り返し申し上げてしまったために『配慮がない』と怒られたのです。 一番ハッピーな空間のご提供をめざしているのに、真逆のお気持ちにさせてしまった…本当に申し訳なく、謝罪しかできませんでした」 一方で、その顧客に感謝していると安本さんは続けます。 「お客様にとっては言わなくても良かったのに、あえてわざわざ時間をとって話してくださったことはとてもありがたいと思っています。言ってくださらなければ気づけず、他のお客様にも同じ思いをさせてしまったかもしれないので」 「時間は巻き戻せないけれど、この学びを無駄にしてはいけない」と、安本さんは改善策を考え、社内やパートナー企業との勉強会で共有。同じことを繰り返さないように、学びとして還元しています。