井之脇 海×上川周作「ちょっと泥臭いような、カッコ悪い大人が一番カッコいい」
松尾スズキさん翻訳の絵本を舞台化した二人芝居『ボクの穴、彼の穴。W』で、兵士役を演じる井之脇 海さんと上川周作さんにインタビュー。舞台のお話や、お二人が考えるカッコいい大人像についても伺いました。 PEOPLE NOW
松尾スズキさん翻訳の絵本を舞台化した二人芝居『ボクの穴、彼の穴。W』(翻案・脚本・演出:ノゾエ征爾さん)で、兵士役を演じる井之脇海さんと上川周作さん。 前編では、自身が考える「穴」について語ってくれましたが、実は世の中の多くの人がそれぞれの「穴」にハマって悶々と過ごしているかもしれず……。後編では、まさにそれを体現する舞台のお話や、お二人が考えるカッコいい大人像について伺いました。
メディアを通したイメージと、実際に接しての印象はどう違う?
── 戦場の閉じ込められた空間が舞台の本作は、ある種の極限状態の中で展開されるお話ですが、オファーをもらった時はどう思われましたか? 上川周作さん(以下、上川) 台本を読んだ時、この物語を高いハードルのように感じて。自分が演じることができるのか? と思ったと同時に、なんとか演じきりたい、頑張りたい! と思いました。二人芝居は初めてという緊張もあり、自分でもいったいどうなるか、稽古が楽しみなんです。 井之脇海さん(以下、井之脇) 僕はおととし3人芝居をやり、去年6人芝居を経験したんです。どちらも本当にお芝居だけで見せる作りで、稽古中から密な時間を過ごす中で役を深掘りする面白さを知りました。 少人数のお芝居ならではのそういう作業をもっと突き詰めたいと思っていたところにこのお話をいただけたので、ちょうどいいタイミングでうれしかったです。 ── お二人は初共演とのことですが、お互いのメディアを通したイメージと、実際に接しての印象を改めて教えてください。 上川 海くんは、演じる役の揺れる心情をとても繊細かつリアルに表現される方。つい最近も、映画『バジーノイズ』を拝見して、その丁寧な表現に刺激を受けたばかりです。そして実際に接した海くんは、秘めているものがめちゃくちゃ熱い! 稽古が始まるのはまだ先で(※取材は5月末)、今は連絡先を教え合い、メール等でエネルギーの交換をしているところですが、その内容も密度が高くてすごく心地いいです。