「円安」、企業の半数が経営に「マイナス」 希望レートは「1ドル=125円」、現状と30円以上の差
Q6.貴社にとって望ましい円相場は1ドルいくらですか?
◇希望為替レート、最多レンジは「1ドル=120円以上125円未満」 望ましい為替レートについて、2,208社から回答を得た。 5円刻みのレンジでは、最多が「120円以上125円未満」の28.3%(626社)だった。2022年4月を最後に、2年以上「1ドル=125円未満」以上の円高には振れておらず、為替レートにおいては厳しい状況が長期化している。 以下、「130円以上135円未満」が18.4%(407社)、「110円以上115円未満」が9.7%(216社)の順。今年5月末頃の「1ドル=156円前後」が含まれる「155円以上160円未満」と回答した企業はわずか0.7%(16社)にとどまった。 規模別でみると、上位レンジのうち「120円以上125円未満」と「110円以上115円未満」では、それぞれ大企業が23.3%(210社中、49社)と5.2%(11社)に対し、中小企業が28.8%(1,998社中、577社)と10.2%(205社)で、それぞれ5.5ポイント、5.0ポイントずつ上回った。一方、「130円以上135円未満」では大企業が20.0%(42社)で、中小企業の18.2%(365社)を1.8ポイント上回った。 中央値は、全企業と中小企業が「1ドル=125円」、大企業が「1ドル=130円」で、中小企業と比較して輸出企業の多い大企業の希望為替レートが、中小企業よりも円安寄りだった。
想定為替レートと希望為替レートの差は25円
企業の想定為替レートと希望為替レートを中央値で比較した。 規模別では、想定と希望がそれぞれ、全企業150円に対し125円で25円の円安、大企業150円に対し130円で20円の円安、中小企業150円に対し125円で25円の円安だった。 産業別では、想定と希望の差が最大だったのは、建設業と小売業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他の6産業。すべて想定150円に対して希望120円で、希望よりも今年度の想定が30円の円安だった。想定と希望の差が最も小さい製造業でも、想定が希望より20円も円安だった。 また、現状の「1ドル=156円前後」の水準は希望から30円以上乖離しており、過度の円安の継続による企業の負担増加が懸念される。