「円安」、企業の半数が経営に「マイナス」 希望レートは「1ドル=125円」、現状と30円以上の差
Q3.今年に入ってからの為替変動の影響について伺います。貴社は、商品や部材の輸入量を昨年より変化させましたか?(択一回答)
◇中小企業の2割以上が輸入量の「減少」に言及 輸入を手掛ける1,475社から回答を得た。 去年より「減少させた」の14.1%(209社)と「現時点で変化ないが、今後減少させる」の7.8%(115社)を合わせ、21.9%(324社)の企業が輸入量の「減少」に言及した。 規模別では、「減少」に言及した大企業が10.9%(211社中、23社)なのに対し、中小企業は23.8%(1,264社中、301社)と2倍以上の差がつき、円安の影響は中小企業ほど大きいことがみてとれる。 業種別(業種中分類、回答母数10以上)では、「木材・木製品製造業」の46.1%(13社中、6社)が最大。
Q4.今年に入ってからの為替変動の影響について伺います。昨年と比較して為替予約(外国為替予約取引)の活用状況は以下のうちどれですか?(択一回答)
◇為替予約の活用企業、1割未満 最多は「昨年も活用しておらず、今年もしない」の93.1%(5,001社中、4,658社)だった。 昨年から今年にかけて為替予約を活用した企業では、「今年は活用額を減らした、もしくは辞めた」の1.2%(61社)が、「昨年は為替予約を活用せず、今年はした」0.4%(22社)と「今年は活用額を増やした」0.6%(32社)を合わせた1.0%(54社)をわずかに上回った。「今年も同程度の活用額」は4.5%(228社)だった。 規模別では、昨年から今年にかけて為替予約の活用経験がある企業は大企業が19.2%(494社中、95社)で、中小企業の5.5%(4,507社中、248社)を13.7ポイント上回った。 活用状況について、業種別(業種中分類、回答母数10以上)では、「維持」も含め為替予約に最も積極的だったのは「電気業」の36.3%(11社中、4社)。上位10業種中、半数の5業種を卸売業が占めた。
Q5.貴社は今年度の想定為替レートを1ドルいくらに設定していますか?
◇想定為替レート、中央値は「1ドル=150円」 2024年度の想定為替レートについて、1,747社から聞いた。 5円刻みのレンジでは、最多が「150円以上155円未満」の33.2%(581社)だった。次いで、今年5月末頃の「1ドル=156円前後」が含まれる「155円以上160円未満」の17.5%(307社)。年度ではさらに円安が進み、「1ドル=160円以上」を想定している企業も19.8%(347社)と2割近くにのぼった。 規模別では、想定為替レートを「1ドル=160円以上」としている大企業が8.2%(182社中、15社)なのに対し、中小企業は21.2%(1,565社中、332社)で、13.0ポイントと大幅に上回った。中小企業は大企業に比べ、「1ドル=156円前後」の円安水準を「マイナス」と回答した企業の割合が高く、想定為替レートも厳しく設定している企業が多いようだ。 中央値は、すべての規模で「1ドル=150円」だった。