「円安」、企業の半数が経営に「マイナス」 希望レートは「1ドル=125円」、現状と30円以上の差
Q1.今年5月末(1ドル=156円前後)の為替水準は貴社の経営にとってプラスですか?マイナスですか?(択一回答)
◇「マイナス」影響の企業が過半数 1ドル=156円前後の円安が経営に及ぼす影響について、回答の最多は「マイナス」の54.4%(5,174社中、2,818社)だった。前回調査(2022年12月実施、1ドル=138円前後)の47.4%と比べ、7.0ポイント悪化した。「プラス」は3.8%(197社)にとどまり、現在の円安水準は企業の半数以上にマイナス影響を与えている。「プラス・マイナス拮抗」は11.5%(595社)、「影響はない」は30.2%(1,564社)だった。 規模別では、「マイナス」は大企業が49.5%(523社中、259社)なのに対し、中小企業は55.0%(4,651社中、2,559社)で、中小企業が5.5ポイント上回った。前回調査では、大企業が44.0%、中小企業が47.9%で、それぞれ5.5ポイント、7.1ポイントずつ悪化した。「マイナス」影響の企業の割合の増加幅でも、中小企業が大企業よりさらに深刻だった。 一方、「プラス」は大企業が7.4%(39社)で、中小企業の3.4%(158社)を4.0ポイント上回った。
産業別 小売業の「マイナス」影響が最大の66.2%
Q1の回答企業をそれぞれ産業別で分析した。 「マイナス」影響の割合が最も高いのは、小売業の66.2%(255社中、169社)だった。以下、卸売業の62.9%(1,190社中、749社)、農・林・漁・鉱業の61.5%(39社中、24社)、運輸業の58.6%(213社中、125社)、製造業の58.0%(1,484社中、861社)まで、5産業が全企業の54.4%を上回った。輸入商品の仕入れコストが増加する小売・卸売業に加え、飼料や燃料を輸入に頼る農・林・漁・鉱業や運輸業にも円安によるマイナス影響が広がっている。 「プラス」影響の割合の最大は、金融・保険業の9.0%(44社中、4社)。 「影響はない」の割合が最も高いのは情報通信業の55.0%(300社中、165社)だった。