「円安」、企業の半数が経営に「マイナス」 希望レートは「1ドル=125円」、現状と30円以上の差
業種別 「各種商品小売業」の「マイナス」影響が100.0%
さらに細かい業種別(業種中分類、回答母数10以上)で分析すると、「マイナス」影響の割合が最も高い業種は、百貨店や総合スーパーを含む「各種商品小売業」の100.0%(15社中、15社)だった。円安による輸入商品の仕入れコスト上昇に、価格転嫁が追い付いていないことも要因として懸念される。 以下、「繊維・衣服等卸売業」92.5%(54社中、50社)、「食料品製造業」76.8%(138社中、106社)、「その他の卸売業」75.0%(208社中、156社)、「その他の製造業」72.0%(50社中、36社)、「化学工業」71.2%(66社中、47社)と続く。これらワースト6業種では、「マイナス」と回答した企業の割合が7割を超えた。原材料や商品などに占める輸入の割合が高い企業を中心に、経営へのマイナス影響が深刻化している。 一方、「プラス」影響では、ドル建て収入の比率が高い「水運業」が30.0%(10社中、3社)と唯一の3割台で、全企業の3.8%を26.2ポイント上回った。また、円安効果によりインバウンド需要増加が見込める「宿泊業」も29.4%(17社中、5社)と、他業種に比較して高い水準だった。 「プラス」影響の企業の割合が大きかった上位10業種のうち、6業種が製造業だった。
Q2.今年に入ってからの為替変動の影響について伺います。貴社は、商品や部材の輸出量を昨年より変化させましたか?(択一回答)
◇今年の円安水準、3割の企業が輸出「増加」へ 輸出を手掛ける869社から回答を得た。 去年より「増加させた」の10.8%(94社)と「現時点で変化ないが、今後増加させる」の19.3%(168社)を合わせ、30.1%(262社)の企業が輸出量の「増加」に言及した。 規模別では、「増加」に言及した大企業が25.6%(164社中、42社)なのに対し、中小企業は31.2%(705社中、220社)で、中小企業が5.6ポイント上回った。 業種別(業種中分類、回答母数10以上)では、酒造などを含む「飲料・たばこ・飼料製造業」の71.4%(14社中、10社)が最大だった。