【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第1ステージ】マクナルティ、スペシャリストの頂点に立つ。「なにかクレイジーなことが起こった」総合勢はログリッチが負傷からの復帰をアピール
強い横風をものともせず、ブエルタ史上最速の時速57.197kmで駆け抜けて、ブランドン・マクナルティが開幕ステージを勝ち取った。自身にとっては生まれて初めての、グランツール総合リーダージャージもついてきた。なにより所属チームUAEチームエミレーツにとっては……今年40枚目のグランツール総合リーダージャージ獲得だった! 【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第1ステージ|Cycle*2024
「なにかクレイジーなことが起これば、自分にも勝てると分かっていた。だから、なにかクレイジーなことが起こったんだと思う。僕にとっては信じがたい出来事だ」(マクナルティ)
短くて、真っすぐで、ほぼ平坦な戦い。今年3つ目のグランツールが、27年ぶりにポルトガルのリスボンで走り出し、12kmの個人タイムトライアルでは、予想通りにスペシャリストたちによる激しい高速バトルが繰り広げられた。
ただテージョ川の河口には、常に北からの強い風が吹き付けていた。出走のタイミングや機材選択が、もしかしたら、秒単位の戦いに影響を与えたのかもしれない。
真っ先に好タイムを出したのは、参加全176人中22番目に出走台から飛び出したエドアルド・アッフィニ。かつてのアンダー23欧州TTチャンピオンは、フィニッシュタイム12分43秒20で暫定首位に立った。しかも2年前のブエルタの初日TTT優勝メンバーであり、第3ステージの終わりにはマイヨ・ロホさえ羽織ったイタリア人は、以降、2時間以上もホットシートを温めることになる。
早々に退席させられる可能性だってあった。現欧州TTチャンピオンにして、昨世界選TT3位のジョシュア・ターリングが、7.3km地点の中間計測で、アッフィニのタイムを3秒上回ったのだ。
ところが他の大部分のライバルたちとは異なり、前輪をバトンホイールで攻めた20歳は、「自分の身体がまるで煉瓦みたいに感じた」と終盤に失速。フィニッシュではアッフィニにわずか0.28秒届かなかった。3週間前、メカトラのせいで、たった2秒差で五輪TTメダルを逃したターリングは、生まれて初めてのグランツールの初日を、最終的には8秒遅れの区間6位で終えた。 残念ながら、アッフィニも、人生2枚目のマイヨ・ロホは着られなかった。150番出走のマティアス・ヴァチェクにホットシートから追い出され、その後も3選手にタイムを抜かれた。ステージの終わりには、7秒差の5位に後退した。
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