【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第1ステージ】マクナルティ、スペシャリストの頂点に立つ。「なにかクレイジーなことが起こった」総合勢はログリッチが負傷からの復帰をアピール
元ジュニア世界TT覇者にして、アンダー23でも世界選TT表彰台に2度乗っているマクナルティは、メダルを狙っていたパリ五輪TTを5位で終え、大いに失望したという。だから「自分にはできる」ということを、ポルトガルで証明できたことが嬉しかった。今大会参加者の誰よりも速い12分35秒28でフィニッシュラインを駆け抜け、ブエルタ史上、誰よりも速い時速57.197kmを記録した。
昨年のジロでは逃げ切りの果ての少集団スプリントで区間勝利を収めたマクナルティにとって、ブエルタでは初めてのステージ優勝。しかも表彰式ではマイヨ・ロホだけでなく、フィニッシュラインで発生したポイントに基づきポイント賞ジャージと、本来であれば該当者がいないはずの山岳賞ジャージさえ受け取った。
ちなみにジロ&ツールの「ダブルツール」制覇を成し遂げたタデイ・ポガチャルは、過去の出場大会も含めて、どうしてもグランツール初日だけはリーダージャージを競り落とせずにきたというのに、チームメイトのマクナルティがあっさりと成し遂げてしまったことになる。またUAEは2024年3大ツールのすべてで区間勝利を射止め(計13勝、うちポガチャルが2勝)、しかもリーダージャージを最低でも1日ずつ着用した唯一のチームとなった。最終的にUAEが3大ツール全てを制覇してしまうのかどうかは、3週間後の結果を待つとして、少なくとも初日はUAEがチーム総合でも首位に立っている。
個人としては、最終マイヨ・ロホ候補の中では、プリモシュ・ログリッチがトップタイムを叩き出した。東京五輪TT金メダリストは、わずか17秒遅れの区間8位。ツールでの落車負傷から順調に回復していることをアピールするとともに、ブエルタ総合4勝目へ向けて好調なスタートを切った。
母国ポルトガルでの開幕に大いにモチベーションを抱くジョアン・アルメイダは、ツール総合4位の勢いそのままに、ログリッチの2秒後にピタリとつける。UAE内でダブルエースを担うアダム・イェーツは、17秒遅れに留まる(区間首位から34秒遅れ)。
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