NYは日本食人気でラーメン3500円、街には猫サイズの“ネズミ”?「今の日本人にはハードルが高い街」で女性画家が暮らし続ける理由
NYに出没する“猫サイズのネズミ”のような生き物とは…
ーニューヨークの地下鉄の治安の悪さをよく聞きますが…。 「私は、学校を卒業してからは基本的に家で作品を制作していることもあって、地下鉄はほぼ使わないんです。友人の中には夜に飲みに行って一人で地下鉄で帰ってくる女性とかも普通にいますけど私は一人では大抵、徒歩か友達とUberです。バスは割と安全ですね。まあどこの国でも、絶対に安全なことはないので気をつけるに越したことはないですから。 ただ、ニューヨークの地下鉄はゴキブリとかネズミもすごくて。しかも今“巨大なネズミ”みたいな見た目の生き物が出没しているんですよ。オポッサムという生き物(※有袋類に分類される)を以前ブルックリンでネズミ退治のために放したらしいんですけど、それがどんどん繁殖しちゃって、マンハッタンまで広がってるんです。今じゃ、ネズミより全然大きい“猫サイズのネズミ”みたいな気味の悪いやつが普通に5番街をウロウロしているので、みんな動揺しています(笑)」 ー今、日本人が暮らすにはなかなかハードルが高そうなNY。かつては海外における日本の存在感を象徴するように、タイムズスクエアを日本企業の広告が席巻した時代もあったけれど…。 「今もタイムズスクエアに日本企業の広告はありますよ、昔ほどじゃないですけど。今も(取材時)大谷翔平選手の広告が目立っています(笑)。ただ近年はBTSとかの、韓国系のほうが目を引く印象ですかね。広告もそうですけど、円安の影響もあってか、以前と比べると日本人の観光客を見かけることもかなり少なくなりました。私の友人たちもGWなどの時期には日本から良く遊びに来てくれていたんですけど、航空機代だけでもすごい高いということで、今年はビジネスで出張者以外はまったく来ませんでした。留学生も少なくなっている感じがします。私の大学でも、私が卒業する時点で日本人の学部生はほぼいませんでしたし、以前なら夏休みの間だけでも語学学校に短期留学する人がよくいましたけど、最近はそういう人の話を聞かなくなりましたね。物も家賃も高いし、留学にしろ旅行にしろ、日本から遊びに来たり挑戦しに来たりする場所としてはハードルの高い場所になっているのかもしれません。 一方で、駐在の方とか、こっちでドルでの収入がある方にとっては円安の恩恵を大きく受けてる状況だと思います。手当が厚い一流企業の駐在員はコロナ以来、家賃の上昇とWork from homeの影響で、27、8歳で家賃(3500ドル~)約50万円の部屋に住んでいる人もいます。それと、私の周りの駐在員のかなりの人は海外で育って数カ国語話せるみたいな人が多いです。日本人が少ない一方、私が渡米したころと比べるとそういった社交上手でハイスペックな日本人、日系人、女性の駐在員が増えた気がします」 ー 世界の都市ランキング1位のNYは、そんなハイスぺな人たちが世界中から集まる都市でもある。 「確かにとんでもないお金持ちが普通にいますね(笑)。社交界のようなソサエティーもありますし、友人や学校関係の集まりに顔を出せば“ジョン・F・ケネディ校出身”とか“世界的ブランドの一族”みたいな、雑誌かドラマの中みたいな人たちがいて…最近はもういちいち驚かなくなりました(笑)。なのでNYに暮らしていると作品を制作する一方で、どんどん外に出て人とつながっていないともったいないんです」