”代役”託された橋岡大樹「自分の良さはやり切ること」他のCBと違う個性示したW杯最終予選デビュー
5か月間の空白期間を経て、DF橋岡大樹(ルートン・タウン)が再び日本代表定着への道を歩み始めた。15日のインドネシア戦では右CBで先発し、W杯最終予選デビューを果たすと、持ち前のデュエルと攻撃参加で存在感を発揮。他のCBとは違う個性をアピールする形で生き残りへの気迫を示した。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 橋岡はシーズン序盤に負った負傷のため9月、10月の代表活動は招集外。今回のシリーズで5か月ぶりの代表復帰を果たした。すると9月、10月も不在だった冨安健洋、伊藤洋輝に続き、谷口彰悟もアキレス腱断裂で招集を辞退したことでビッグチャンスが到来。これまで右CBを務めていた板倉滉がCBの中央に回る形で、右CBに橋岡の出番が回ってきた。 「谷口選手がケガをしてしまったことで代役に誰が入るかというのもあって、僕がチームに還元できることは対人の強さ、ヘディングの強さ、アグレッシブさだと思っていた。谷口選手がいない中、僕がすごい活躍を見せればまたスタメンに定着できる可能性もあるという中、そこは見せつけないといけないと思っていた」(橋岡) そうした積極的な意識は、守備陣全体が落ち着かない時間帯を過ごした序盤から随所に表現した。「自分の強みはデュエルの部分なので、そこは絶対に負けちゃいけない」との意識どおり、FWラファエル・ストライクを相手に気迫のこもったデュエルを展開。前半10分にはロングボールからDF板倉滉の裏を突かれ、「僕がカバーできたところ。距離感をもっと大切にしないといけない」という課題も残したが、果敢な姿勢は攻撃面でも光った。 前半24分には猛烈な攻撃参加からFW小川航基にクロスボールを通し、他のCBにはないストロングポイントを発揮。「自分の良さはそこでクロスを上げ切るところだと思っていて、そこをやっていきたいと思っていた」。こうした積極的なプレー選択は今年6月、攻撃的3バック初陣となったミャンマー戦での反省点を生かしたものでもあった。 ミャンマー戦では橋岡が右CB、菅原由勢が右ウイングバック、堂安律が右シャドーで起用された中、布陣への意識が後ろに重くなってしまい、右サイドの攻撃が停滞。その後は一貫してウイングバックに攻撃的な選手が起用されるようになり、現在の攻撃的3バックの“反面教師”的な内容となっていた。 「ミャンマー戦のこともあったので、そこ(の反省)を活かして自分が前に行こうと思っていた」(橋岡)。現在の先発メンバー構成では左サイドに攻撃の比重が高まっている中、手薄な右サイドを単騎で走り回れる橋岡の強みは貴重。守備面では「相手に一本のスキも与えないように」という反省点も残しつつ、それも含めて今後につながる一戦となった。 ゆくゆくは右ウイングバックでポジションを争う可能性もありそうだが、対アジアの戦いでは今後も右CBでの起用が濃厚。「CBが安定しないとウイングバックが守備ばかりになってしまうので、CBがしっかり安定させてウイングバックをなるべく攻撃に参加させるように」という守備面のタスクをこなしつつ、攻撃面での「タイミングよく上がっていくこと。自分の良さはそこでやり切ることなのでゴール・アシストを出せたら」という強みを重ね、サバイバルを勝ち抜いていく構えだ。