【R1300GS試乗インプレ】コンセプトは変わらない。いつだって史上最強!
一体、GSの何が変わったのか?
さて、今回のフルモデルチェンジのハイライトのほんの一部をお届けしよう。 ────────── 【R1300GSの注目ポイント】 ・90%以上のパーツが刷新 ・コンパクトになった新型ボクサー・エンジンを搭載 ・最高出力は従来型と比較して9PSアップ(136PS→145PS) ・大幅な軽量化を達成(欧州仕様は従来型249㎏→237㎏と12㎏軽量化) ・テレレバーとパラレバーが進化 ・業界初の電子制御式ダイナミック・サスペンション(DSA) ・新デザインのLEDヘッドライトを採用 ・ハンド・プロテクターに統合されたウィンカー ■ツーリング仕様 ・走行時と停車時に車高を自動調整する車高制御機能 ・前後のレーダーセンサーを活用したライダー支援機能 ※アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や 衝突警報(FCW)、車線変更警報(SWW)など ────────── 変更点を挙げようとしても、今回のフルモデルチェンジは変更点だらけ。とても収まり切らないので主要なものに絞って記述してもこれだけある! ほかにもリチウムイオンバッテリーやタイヤ空気圧センサーが採用された(いずれもSTDモデルでの投入)など、気になる点もあるが、それらは枝葉の部分。ツーリング仕様は電動スクリーンも採用されており、これも魅力的だ。 最新GSは3タイプ用意されており、モデルごとに多少設定が違うが、ツーリング仕様がもっとも装備が充実している。ツーリングライダーなら、迷わずツーリングモデルがいいのではないか。それぐらい快適で最新鋭の電子デバイスが搭載されている。
試乗インプレ
────────── これは19インチのハンドリングではない! ────────── R1300GSに乗り込んで、わずか30秒。 エンジンの鼓動感がどうのとか思う暇もなく、ホテルの敷地にあるひとつ目のゆるいカーブだった。愛車であるR1200GSと、ハンドリングがあきらかに違う・・・。最初は戸惑った。「ゴロン」ではなく、「シュッ」とタイトなのだ。R1200GSもR1300GSも同じフロント19インチ。でも、コイツはまるで17インチのような軽快感がある。 ほどなく郊外のワインディングに入る。この頃には当初の違和感は薄れ、むしろR1300GSの走りに慣れてきていた。フロント19インチというのは、17インチと比べて狙ったところをトレースしないというか、大回りしている感覚が多少あるのだが、コイツは17インチのようなクイックなハンドリングを楽しませてくれる。 これはビッグネイキッドなどオンロードバイクに乗る人からすれば、いたって普通に曲がってくれると捉えていい。 アドベンチャーバイクのフロントタイヤは21、19、17と、この3パターンが主流であるが、17インチを履いているモデルはアドベンチャーモデルでもロード寄り。一方、21インチはオフロード寄りでコーナー時のハンドリングはどこかもっさり感がある。そして、19はその中間。 昨今のビッグアドベンチャーはオンロード寄りのハンドリングがトレンドのような気がしていたが、GSは17インチを履いているような錯覚を覚えさせるハンドリングを実現していたというわけだ。 もともと、ワインディングマシンとしても優秀だったGSシリーズだったが、最新型はさらに上をいってくれた。 ────────── テレレバーが劇的進化! わだちが全然怖くない! ────────── ハンドリングというか乗り味については、もうひとつ言いたいことがある。 BMWは、GSを含めRシリーズの重量車にはテレレバーという機構を採用しており、これが路面追従性を高めてくれていた。このテレレバーはテレスコピックフォークとは異なり、操舵と衝撃吸収という2つの役割を分担させている。今回、このテレレバーに改良が加わり、ただでさえ従来型も衝撃が少なく安定感が高かったのに、さらに快適性が向上している。 結果、道路のちょっとしたわだち(自分はこれが大嫌いだ!)を乗り上げても、衝撃が全然こない。積極的に荒れた路面を選んで走ってみても、あの「ガツン」とした衝撃はずいぶん控え目な印象だ。これはスゴイのひと言だった。