なぜ松山英樹はマスターズで4打差の単独首位に踊り出たのか…「どうなるのか…自分でもとても不思議な感じが」
男子ゴルフの海外メジャー初戦、マスターズの3日目が日本時間11日未明に米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC(7475ヤード、パー72)で行われ、通算4アンダーの6位タイで発進した松山英樹(29、LEXUS)が1イーグル、5バーディーの「65」をマーク。スコアを通算11アンダーと伸ばして2位に4打差の単独首位に浮上し、日本人男子選手初のメジャー優勝をかけて運命の最終日に臨む。 予選ラウンドの2日間で単独首位をキープしてきたリオデジャネイロ五輪の金メダリスト、ジャスティン・ローズ(40、イギリス)、松山と同組で3日目を回ったザンダー・シャウフェレ(27、アメリカ)ら4選手が通算7アンダーで2位グループを形成。通算6アンダーのコーリー・コナーズ(29、カナダ)が単独6位、通算5アンダーのジョーダン・スピース(27、アメリカ)が同7位で続いている。
雷雨による中断時間を味方に
予想よりも早くオーガスタに接近してきた雷雲による1時間17分の中断時間を味方につけた。ティショットを右の林のなかへ打ち込んだ11番(パー4、505ヤード)。セカンドショットの体勢に入った直後に中断を告げるホーンを聞いた松山は、意外な場所で再開を待っていたと明かした。 「車のなかで携帯をずっと見ていました。くだらないゲームをしたりして」 緊張感を途切れさせずに、なおかつティショットをミスした嫌な流れをリセットする。理想的な中断時間を過ごした効果はセカンドショットに反映された。目の前に大きく広がる木の枝の下を通した、低い弾道のアイアンショットで鮮やかな2オンに成功し、約6mのバーディーパットをねじ込んだ。 バーディーチャンスにつけながらも、アウトの前半でスコアをひとつ伸ばしただけだった松山の猛チャージがこのバーディーで幕を開けた。続く12番(パー3、155ヤード)もピンそば約3mにつけて連続バーディーをゲット。13番(パー5、510ヤード)で2オンに成功するも、まさかの3パットでパーとした瞬間に、雷雨をへて微妙に変わったグリーンの状態をも頭のなかでアジャストさせた。 「前半は少しドタバタしながら、パットもちょっと決め切ることができなかったんですけど、後半に入って中断の後からグリーンのスピードも少し落ちたので、13番の3パットの後からいい感じで打つことができたのかなと思っています」