結婚している or してない「認知症」に影響する...? アメリカの最新研究から認知症の「最大リスク要因」が明らかに
今回の研究結果を、医師たちはどう見ている?
はじめに、今回の研究を行ったのは経済学者たちで、医師ではないことを強調しておく。だが、認知症患者を担当する専門医師は、今回の研究結果を見て「自分たちが実際に見ている現場が直面している状況と非常に類似している」と明かした。 クリフォード・シーギル医師(カリフォルニア州サンタモニカにあるプロヴィデンス・セント・ジョンズ・ヘルスセンターの神経科医)は「このレポートはリスク要因をわかりやすく分析している」と高く評価。また、彼の診療現場や経験においては、脳卒中の病歴や日頃の体調不良、糖尿病が認知症と非常に強い関係があると警告を発した。 だが一方で、2~3年しか働いた経験がないことや、60歳時点で私的な健康保険に加入していないことが"強い予測因子"になることには驚きを見せていた。 ライアン・グラット(カリフォルニア州サンタモニカのパシフィック・ニューロサイエンス・インスティチュートFitBrainプログラムの上席脳健康コーチでディレクター)も、「結果は観測に基づいたもので、特定の行為や習慣が認知症の原因になるとは言い難い。それでも、この研究からわかった予測因子の多くは正しいだろう」と話す。 「現場の様子から見て、この結果は、定期的な運動や、社会的および認識的な活動の維持、糖尿病など慢性健康障害の管理といったライフスタイルへの介入の重要性を強調している」と述べている。
認知症リスクを低減する方法
認知症リスクを低減するには、脳と身体を活発に働かせ、それを維持することが重要だとシーギル医師は言う。つまり、定年後も身体を使うエクササイズや仕事、趣味を持ち、健康であろうとすることが、結局は一番「認知症発症を防ぐ可能性が高い」という答えになるのだ。認知症リスクを少しでも低減したいのであれば、今回の研究から明らかになった情報は、非常に重要なヒントであり、改めて人々が心に留めておいてほしい事柄だと述べる。 そしてもちろん、自分の認知症リスクが既に気掛かりな人や、あるいは家族に認知症になった人がいる場合は、早めに医師に相談しよう。
From Womens Health