新潟の「糖尿病」死亡率が増加傾向 専門医に聞く傾向と対策 予防、重症化防止が重要に 深層リポート
また、新潟市内では重症化防止に向けた啓発活動も活発で、市と専門医などで構成する市糖尿病対策推進会議は毎月、糖尿病ミニ講座を開催している。市保健所健康増進課は「市民の糖尿病への関心は高まっている」と話す。
吉岡氏は、治療にあたり、血糖値を測定し、把握することの重要性を強調する。「血糖値を測定、把握し、適正にコントロールすることが、合併症の発症や進行リスクの軽減につながる」ためだ。
最近は、1分ごとに測定し血糖値の変動を可視化する先端測定器「FreeStyle リブレ2」(アボットジャパン合同会社)も登場。糖尿病の治療に貢献している。
吉岡氏は「治療を中断、放置することが一番良くない。一生懸命になりすぎず、コツコツとやることが大切」と話している。
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■糖尿病
血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気。膵臓(すいぞう)から分泌され、血糖値を一定の範囲内に収める働きを持つインスリンが十分働かないことで起きる。血糖値が高いまま放置されると、血管が傷つき、将来、心臓病や失明、腎不全などの合併症を引き起こすおそれがある。免疫異常やウイルス感染などが原因とされる「1型糖尿病」と、食べすぎや運動不足、遺伝が原因とされる「2型糖尿病」がある。
■記者の独り言
東京から新潟に赴任し、生活面で大きく変わったことが2つある。一つは、新潟の食べ物がおいしいせいか、食べる量が1・5倍になったこと。もう一つは、やたらと車で移動するようになったことだ。食べすぎ、車移動による運動不足はまさに糖尿病のリスクを高める要素である。この原稿を書きながら何とかしないとなあと思いつつ、ひと休みして買い出しに出かける際は寒さもありつい車を使ってしまうのである。(本田賢一)