AI時代に【そろばん】!?受験にも有利! 計算以外で身につく非認知能力も凄い「習わせて良かった習い事2位」の令和のそろばん事情
計算能力だけではない、「そろばん」を習うと身につくスキル
■やらされる勉強から主体性のある学びに 「そろばん」は、たし算、ひき算、かけ算、わり算のほか、利息の計算や平方根、立方根など、いろいろな計算ができます。そして、前田さんいわく、「そろばん」を自ら操作することで、やらされる勉強ではない主体的な学びにつながるとのことです。 全国珠算教育連盟の「令和のそろばん意識調査」によると、保護者がそろばんを習わせる理由は「計算能力の向上」が85.6%と最も高く、実際に習わせた結果「計算能力がついてきた」と回答した親も8割を超える結果(82.8%)になったとのことです。 ■計算能力だけではない「そろばん」の凄さ! また、「そろばん」の練習は単なる計算力だけでなく、集中力も養う訓練になります。前田さんも「身につけさせるものではなくて、そろばんをしながら、自然に身につくものであるところがそろばんの素晴らしい点です」と話してくれました。 全珠連珠算検定1級問題の中に、みとり算(10桁の数字を足したり引いたりする計算)があります。1問題の字数は100字で平均60秒以内に計算しなければなりません。この時、運珠(そろばん珠を弾く)回数は約130~170回で、そのうちの1回でも間違えば誤答になってしまい、相当の集中力が必要になります。 ■「そろばん」で身につく非認知能力 学力で数値化できない非認知能力も近年、注目されています。前田さんいわく、「そろばん」はそのような人間力を上げるのにとても適しているとのことです。 「そろばん」は自分のペースで進めることができるため、自己肯定感が上がります。さらに、検定試験や競技会はやる気を促し、時に起こる挫折は忍耐力を培います。また、多くの教室は学年別ではなく横のつながりがあり、思いやりなどの社会性や協調性も身につけることができるとか。
受験には役に立つの? 算数を制する者は受験を制する!
中学受験界隈では、「算数を制する者は中学受験を制する」と言われています。中学受験で算数が重要視される理由は、他の教科と比べて「配点が高いため」、そして問題数が少なく一問の点数が高く「得点の差が付きやすいため」だそう。 ■「算数一科目入試」の学校も 近年は「算数一科目入試」を導入する学校が増えているほど、算数の得点が合否に与える影響は大きくなっています。また問題自体の難易度も上昇していて、論理的思考力を問う学校が増加しています。 複雑な問題に対応するには計算力という土台が欠かせません。中学受験における珠算式暗算を習得するメリットの一つが、問題を解く時間に余裕が生まれること。受験に有利となるキーポイントといえるでしょう。 ■半数以上が受験を希望、理系希望の親が6倍 また、「そろばん」を習わせる親の56%が中学受験意向があるとのことです。さらに、将来文系と理系のどちらに進学させたいかという質問で「理系」と答えた親は全体の48.0%で、「文系」と答えた親の7.8%より40.2ポイント高い結果となりました。人数ベースでは理系167人に対して文系が27人と、6.2倍の差が開いていて、理系への意識が高い保護者が多いことが分かります。