なぜセレッソ大阪は控えに回る機会の増えた柿谷曜一朗の一発で15年ぶり6連勝を果たしたのか?
2年前の夏には宿敵・ガンバ大阪への、昨夏には名古屋グランパスへの移籍が報じられた。なかなか出場機会に恵まれない状況は今シーズンも変わらないが、それでも万全の準備を怠らず、めぐってきたチャンスで4歳から心技体を磨いてきた、愛してやまないセレッソの力になった。 「優勝を目指して戦っているチームのなかで、僕たちが出たときでもしっかりと勝ち点を積み重ねていかなければいけない。その点を意識しながらプレーできたことが、いい結果につながったと思う」 前回に6連勝以上をマークした2005シーズンは、勝てば優勝が決まったFC東京との最終節の後半アディショナルタイムに悪夢の同点ゴールを喫し、宿敵ガンバの初優勝の引き立て役になった。翌年に16歳でセレッソとプロ契約を結んだ柿谷は30歳になったいま、ホームにフロンターレを迎える来月3日の天王山の先に、クラブの悲願でもあるリーグ戦の初戴冠をみすえている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)