KNT-CT、新たな中期経営計画の詳細公表、地域共創・訪日事業を強化、旅行販売はクラツーを主軸に
自己資本比率25%程度を維持へ
このほか、今後の事業の枠組みとして、BtoCの旅行ビジネスはクラブツーリズム、BtoB、ガバメント、PTAアウトソーシング業務などを開発した学校関連とスポーツなどは近畿日本ツーリストが担うことを明らかにした。 現在、顧客基盤としては近畿日本ツーリストが抱えるKNTメンバーズクラブがファミリー層を中心とした300万人、クラブツーリズム会員が60~70代の700万人の合計1000万人に上っており、これらのデータベースの統合、個人旅行の商品企画はクラブツーリズムに集約し、2社共用の展開に再構築する。3か年のシステム関連投資による支出は、個人旅行事業が190億円、団体旅行事業が20億円、その他90億円で300億を織り込んだ。 また、同グループの喫緊の課題となっているのが、人手不足の深刻化、事業運営の持続可能性に対する懸念である。人財戦略については、各事業会社の垣根を超えた共通化、とりわけ女性管理職の計画的育成と評価制度の見直しに取り組むとした。団体旅行はMICE、修学旅行が中心となっているが、訪日事業への展開を見すえ、グローバル人財の積極的な登用も視野に入れる。 コロナ禍での人員調整は苛烈で、2018年度には約7000人だった社員を2023年度には約4400人と大幅に減員。こうしたコスト構造改革により、販管費は2018年度の694億円を2022年度は431億円と、200億円程度圧縮した。 コロナ禍が明け旅行需要が回復したことにより、同社の営業利益は2018年度の25億円に対し、2023年度は72億円と好調だ。コロナ関連のBPO事業による特需はなくなったとはいえ、旅行需要の回復に伴い、2024年度に75億円、2026年度に85億円。将来的には120億円の収益を目指す。当期純利益は2018年度の12億円に対し、2026年度は80億円の目標。小山氏は「改善が堅調に進んでいる」との見方を示した。 資本政策の方向性については、「不測の天災や社会情勢の激変にも耐えうる資本の厚み、自己資本比率25%程度を維持しつつ、種類株式の償還を履行し、普通株式の早期復配を目指したい」(小山氏)とした。
トラベルボイス編集部