角田裕毅、予選トップ10入りも手痛い大クラッシュ。マクラーレンが1-2でフェルスタッペン抑える|F1ハンガリーGP
ハンガロリンクを舞台に開催されているF1第13戦ハンガリーGP。7月20日(土)の予選では、マクラーレンのランド・ノリスがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は10番手だった。 【リザルト】F1 2024 ハンガリーGP 予選 FIA F2のスプリントレースの後には強い雨がサーキットに降り注いだものの、F1予選の時刻を迎える頃には雨脚は弱まった。ただ小雨が降ったり止んだりと、路面コンディションが目まぐるしく変わるセッションとなった。 ■ペレスが痛恨のクラッシュ|Q1 トップ15台を決めるQ1では、セッション開始直後から全ドライバーがコースイン。スリックタイヤでも問題なく走行ができる路面状況だったものの、すぐに雨脚が強まると考えられていたことから、すぐさまタイム計測を行なった。 ハンガロリンクは1周4.381kmと短かくコース幅が狭いことからクリアラップを取ることが難しい上、再び落ちてきた雨粒によって路面状況が刻々と変化していたことから、各車は1セット目のソフトタイヤで複数回のアタックを敢行。序盤はメルセデスのルイス・ハミルトンがトップに立った。 残り7分を切ったところで、2セット目のソフトタイヤに切り替えて再びコースインをしようとするドライバーも現れていたが、赤旗が提示された。 濡れた縁石に足を取られたか、レッドブルのセルジオ・ペレスがターン8でスピン。ウォールにマシンを激突させてしまったのだ。シートが危ぶまれる状況での手痛いミスとなった。 10分強の中断でセッションは再開。コース上をマシンが走っていない間に雨脚が強まっていたこともあり再開直後はタイムが伸びなかったものの、セッション最終盤にはタイムを改善できるだけの路面状況にまで回復した。 その最終アタックでは、RBのダニエル・リカルドが1分17秒050でトップに浮上。ハミルトンやレッドブルのマックス・フェルスタッペンらを上回った。角田は8番手でQ1突破。RBは2台揃ってQ2に駒を進めることができた。 Q1ではクラッシュを喫したペレスの他、タイム計測のタイミングを外したメルセデスのジョージ・ラッセルやキック・ザウバーの周冠宇、アルピーヌの2台がノックアウトとなった。 ■RB、2台揃ってトップ10入り|Q2 トップ10入りを決めるQ2はゆっくりとしたセッションスタートに。序盤はフェラーリのカルロス・サインツJr.による専有走行状態となった。 数分遅れてその他のドライバーもコースイン。ほとんどのドライバーがユーズドのソフトタイヤを使用した一方、新品タイヤを履くフェルスタッペンが1分25秒770でトップに立った。 サインツJr.は新品タイヤに履き替えてアタックを実施したが、ユーズドタイヤで2番手につけるマクラーレンのオスカー・ピアストリのタイムに届かず3番手に留まった。 残り時間が少なくなる中、各車が再びコースイン。ここでマクラーレンのランド・ノリスが1分15秒540をマークした。フェルスタッペンはユーズドタイヤながらノリスと同等のラップを刻んでいたものの、1周を完了することなくピットへ戻った。ノリスがQ2トップ通過となった。 トップ3はノリス、フェルスタッペン、ピアストリという並び。フェラーリ勢、アストンマーティン勢がそれに続いた。そしてRBの角田とリカルドは8~9番手でハミルトンを上回り、Q3ダブル進出となった。 一方でハースのニコ・ヒュルケンベルグは、ハミルトンに0.010秒届かず11番手でQ2敗退。キック・ザウバーのバルテリ・ボッタスやウイリアムズ勢、ハースのケビン・マグヌッセンがノックアウトとなった。 ■角田裕毅、やってしまった!|Q3 ポールポジションを決めるQ3。まずはフェルスタッペンからコースへ入っていった。この前のQ2では雨の影響がなかったものの、Q3が開始される頃には雨が接近していた。 ここでフェルスタッペンは1分15秒555をマーク。しかしノリスはセクター2で全体ベストを叩き出し、1分15秒277でフェルスタッペンを0.328秒上回った。ユーズドタイヤを履いたRB勢は9~10番手だった。 雨が本格化する前に新品タイヤでタイムを計測しようと、多くのチームは素早い作業でドライバーをコースへ送り出した。 ただ残り2分というところで、角田がターン5で大クラッシュ。アンダーステア傾向のマシンをねじ伏せようとしたものの、ターン5の縁石でマシンコントロールを失ってしまった。幸い角田は無事だったものの、マシンを降りた後は悔しさをあらわにしていた。 角田のクラッシュで予選は2分を残して再び赤旗中断。フェルスタッペンやアストンマーティンのフェルナンド・アロンソは手持ちタイヤを既に使い切ったと判断し、マシンを降りた。 ユーズドタイヤでピットレーンに並んでセッション再開を待った残る7台は、ノリスを先頭にコースへ入っていった。ただ、隊列の一番後ろにいたサインツJr.はチェッカーフラッグには間に合わずピットイン。最終的にタイム計測を行なったハミルトンとリカルドのふたりもタイムを大きく改善することはできず、ノリスのポールポジションが確定した。 ノリスとしてはF1キャリア3度目となるポールポジション獲得。2番手にピアストリが並び、マクラーレン勢がフロントロウを独占した。 フェルスタッペンは3番手。アタックを終えた後には怒りをあらわにし、マシンを降りた後もFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長と話し込む姿もあった。 4番手サインツJr.以下トップ10は、ハミルトン、ルクレール、アロンソ、アストンマーティンのランス・ストロール、リカルド、角田というトップ10になった。 RBは2台でトップ10入りを果たすことができたものの、角田のマシンの修復に追われることとなった。
滑川 寛