大勢の前で話す時に緊張するのは「当たり前」。緊張を入り込ませる余地を限りなく<ゼロ>に近づける意外な方法とは
SNSが発達した現在、コミュニケーションに苦手意識を持つ方も少なくないようです。そのようななか、コントグループ「ザ・ニュースペーパー」のメンバーとして19年間活動していた桑山元さんは、芸人を続けながら、話し方・伝え方を教える講師として活動しています。今回はその桑山さんに、コミュニケーションを円滑にするための「ちょい足し」テクニックを紹介してもらいました。桑山さんいわく、「人間が見られて緊張するのは当たり前」だそうで――。 【イラスト】ニーチェ的逆転法とは!? * * * * * * * ◆自分が見られている時、実は!「ニーチェ的逆転法」 見られていると思うと緊張する。緊張とは感情。感情は変えられないが、行動は変えられる。「見られている側」から「見ている側」になる 動物園の動物たちが体調を崩す原因の上位に、怪我や病気だけではなくストレスもあるそうです。 しかも“見られている”ストレス。 動物でさえストレスで体調を崩すのです。人間が見られて緊張するのは当たり前。 じゃあ、どうすれば緊張しないのか? 結論から申し上げます。「見られている」と思うから緊張するのです。「見られている」側から「見ている」側になればいいのです。
◆見ることに集中する いやいや、そんなに簡単にできないでしょ! そんなことができないから、苦労してるんだろ! と怒られそうですね。 ところが、そうではないのです。 「緊張している」は感じ方、つまり感情なのです。確かに感情を瞬時に変化させるのは至難の業ですが、方法はあります。 私が講師の師匠と仰いでいる大谷由里子さんの講演ネタにこんなものがあります。 「それでは、皆さん、隣の人と目を合わせて下さい。次に、その目を合わせた人と恋愛して下さい。…できませんよね? 今、何が起こったかというと、目を合わせるというのは行動。これはすぐできましたね? でも、恋愛というのは感情。これはすぐにはできませんよね。つまり感情は変えられないけど、行動は変えられるんです」 もう一度振り返ると、「緊張している」のは感情です。一方、「見る」というのは行動です。“見よう”と思えば、意志の力で「見る」という行動は起こせるのです。 この時のコツは、見ることに集中することです。漫然と見るのではなく、注意深く観察するというイメージです。