「中絶できず…苦しんだ」アメリカを二分する人工妊娠中絶問題 大統領選の有権者50%以上が関心【news23】
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最終盤まで大接戦となっているアメリカ大統領選。その勝敗を左右するかもしれない争点が、「人工妊娠中絶」をめぐる問題です。中絶をめぐり、真っ二つに割れるアメリカ。その判断に揺れる州で、人生を翻弄された女性を取材しました。 【写真を見る】「中絶できず…苦しんだ」アメリカを二分する人工妊娠中絶問題 大統領選の有権者50%以上が関心【news23】 ■50%以上が関心 “妊娠中絶” 勝敗左右? 11月5日に投開票を迎えるアメリカ大統領選挙。 共和党 トランプ前大統領(31日) 「あと5日で勝ちたい。偉大な勝利のひとつとして語り継がれるだろう」 早々と『勝利宣言』をしたトランプ氏に対しハリス氏は25日、人気歌手のビヨンセさんと共に登壇。この日の集会のテーマは「人工妊娠中絶の権利」でした。 民主党 ハリス副大統領 「テキサス州とアメリカ国内で起こっているのは医療危機です。それを引き起こしたのはドナルド・トランプです」 9月に行った有権者への調査で51%が「人工妊娠中絶の問題に関心がある」と答えていて、この政策を強く打ち出すことで、多くの有権者を取り込みたい考えです。 ■「中絶できず…苦しんだ」病院に脅迫も 大統領選の大きな争点の一つとなっている「人工妊娠中絶の問題」。激戦州の一つ、アリゾナ州に中絶をめぐる国の方針に弄された女性がいます。 クロエ・パートリッジさん(24) 「ライラの物(遺品)を入れた箱です。たくさんの思い出が詰まっています」 2022年、第2子を妊娠したクロエさん。しかし、お腹の中の赤ちゃんに脳が発達しない疾患があると判明。医師からは「生まれても数時間も生きられない」と告げられ、中絶の選択肢を示されました。 クロエさん 「赤ちゃんがお腹の中で発作を起こして苦しんでいると知り、中絶することに決めました」 しかし、中絶手術の数日前、予期せぬ事態が... バイデン大統領(2022年6月) 「最高裁はアメリカ国民から憲法上の権利を奪った」 連邦最高裁が女性の中絶の権利を覆す判断を下したのです。トランプ前大統領が任期中に、保守派の判事を相次いで指名したためで、この判断を受け、保守派が優勢な州では次々と中絶が事実上禁止となりました。クロエさんが住むアリゾナ州でも州法が適応され、医師から「手術はできない」と告げらました。