20代で夫が難病に。育児に介護に労働と、がむしゃらな12年を経て夫が他界。50代で訪れた身体の不調を機に、生活習慣の改善に挑戦
内閣府が発表した「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」では、65歳以上の男女において現在の健康状態を「良い」と回答した割合が30.9%、「普通」が41.7%、「良くない」が24.6%だった。実年齢はうまくごまかせても、身体のほうまで若くはいられないようで……。昔から実年齢より年上に見られることが悩みだったという川西真澄さん(仮名・千葉県・無職・61歳)。病気の夫が他界し、子どもも手がかからなくなり、せめて実年齢程度にはみられるようにとジムやエステに行ってみましたが―― 【漫画版はこちら】 * * * * * * * ◆自分のための時間を手にして 私は2人姉弟の姉で、昔から背が高く体格がよかった。長女の自覚が言動を大人びさせていたのもあるのだろうが、実年齢よりも上に見られることばかり。20歳の頃には26歳の童顔男性に、「僕よりお姉さんかと思っていました」と言われたほどである。 夫は私より9つ上。お見合いでの結婚だったので、彼に年齢を間違えられることこそなかったが、新婚旅行先で「お二人は同い年ですか」と聞かれたこともあった。 友だちに「老けて見られる!」と愚痴をこぼすと、「そういう人ってずっと見た目が変わらないから、そのうちむしろ若く見られるようになるのよ」と慰められていた。ところが50代に入っても、年相応にさえ見られない。 うまく若作りに励めなかったのは、忙しかったせいもある。25年前、夫が難病を発症。それまでは専業主婦だったが、当時小学生と幼稚園児だった二人の子どもを養うため、訪問介護員のパートを始めた。
育児に介護に労働にと、とにかくがむしゃらな12年を経て、夫が他界。その頃には子どもたちも手がかからなくなり、ようやく人生が一段落した気持ちになった。 急に自分のために使える時間を手にして初めはとまどったが、挑戦したかったことはたくさんある。手始めに、せめて実年齢程度に見られるようになりたくて、スポーツジムやエステに通い始めた。 それまで忙しくてなかなか参加できていなかった、中学の同窓会にも出席。みんなが勧めるので携帯電話をスマホに買い替え、LINEやフェイスブック、インスタグラムといったSNSも始めてみる。 中学時代の友達とは、SNSのおかげで繋がりを保て、なんとそのなかからボーイフレンドもできた。51歳、夫を亡くしてから3年が経った頃のことである。 彼と付き合って、さらに見た目にも気を使うようになったからか、実年齢よりも上に見られることはなくなった。ところが、「若く見せたい」などと言ってはいられない事態が私を待っていたのだ。
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