なぜ 南雲克明 は消費者に感動を生むインサイトを掴めるのか? トリドールで実現した「感性」と「データ」の融合
マーケティングをすべて数字で説明したい
DD:マーケティングを考える上で重視していることはなんでしょうか。 南雲:消費者を動かすインサイトをどう掴むか、ということでしょうか。ここに届けば行動が起きる、ここをつつけば売れるということを、データサイエンスと感性を駆使して、できるだけ掴みにいく。インサイトを掴んだ上で、戦略・戦術をつくる。そこを突き詰めずに、表面的で安易な手を打ってしまってはダメなんです。 私はテニスをするのですが、選手だった時代は、授業中に、ノートにデータやテニスコートを書いて、戦略や戦術を練るのが好きでよくやっていました。私は背が高いわけでもないしパワーがあるわけでもないので、戦略や戦術で勝つしかないわけです。 「ここにサーブを入れたらここにリターンがくる確率が○%だからこう張っておこう」「相手はこういうプラン・気持ちだろうから、こうしたらペースが乱れて勝手に崩れるかも」など、相手を観察して未来を妄想するのが好きだったんですね。そして実際に勝てるようになっていきました。 そういった意味では、若い時からどうしたら勝てるようになるか戦略や戦術をよく考えていました。 あとは、マーケティングのすべてを数字で説明できるようにすること。感性で感じたこととデータをすべて統合して、ロジックと再現性を常に説明できるように意識しています。 今後は、プロスポーツの世界で行われているように、ファンと一体となって「感動の瞬間」「感動体験」をつくり続けること、そして現場の感性とリアルタイムで捉えるデータをアジャイルに活用して勝率を高めるマーケティングにもっとチャレンジしていきたいと思っています。 Written by 島田ゆかり Photo by 三浦晃一
編集部
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