ロッテが9回2被弾の逆転負けで5連敗。「ショックが大きい」と伊東監督
ロッテが5日、ZOZOマリンで行われたソフトバンク戦で9回まで2-0でリードしていたが、悪夢の1イニング2被弾で逆転負けを喫した。泥沼の5連敗。対ソフトバンクに対して、今季はまだひとつも勝てずに7連敗となった。一方、ソフトバンクは5連勝で工藤監督の54歳の誕生日に白星を贈った。 来場者に紙製の応援兜が配られ、2万7000人を超えるファンで埋まったこどもの日のZOZOマリンに悲鳴がこだました。3回に細谷の2点タイムリーで奪った先取点を守って、エースの涌井が7回まで5安打7奪三振の力投で無失点。8回は内が3人で締め、9回は守護神の益田。連敗ストップの舞台は整っていた。 だが、悪夢はその9回に待っていた。先頭の内川に四球を与えるとデスパイネにまさかの同点アーチをレフトスタンドにライナーで運ばれたのだ。 配球ミスとコントロールミス。 「真っ直ぐとカット狙いだった」とストレート系を待っていたデスパイネに対して、半速球のスライダーをカウント0-1から選択したのは最悪だった。しかも初球は大きなシンカーにタイミングが合っていなかったのだ。「反応できた。当たった瞬間に完璧だと思った」というデスパイネ対して、ストライクを急ぎ、甘く入る変化球は、投げてはならないボールだった。 でも、まだ同点。益田は二死を取った。しかし今度は、乗りに乗っている上林にシンカーをすくわれた。打球は、今度はロッテファンで真っ白に染まるライトスタンドへ。ストッパーのサファテを相手に、この上林の決勝アーチを跳ねのける力は、チーム打率1割台のチームに残ってはいなかった。 試合後、会見場所に現れた伊東監督は、顔を紅潮させていた。 記者団の質問を待たずに一気にまくしたてた。 「あと1点が取れなかった。選手は一生懸命やっているが、現状はいっぱいいっぱい。先発が抑え、抑えにつなぎ、うちが今できることはやった。2アウトからチャンスは作ったし、内容は若干変わってきている。それでもなかなか勝たしてくれない。開幕カードで(ソフトバンクに)3つやられてリズムを失った。選手はなんとか倒そうと、がんばってくれている。ショックは大きいが、誰も攻めることはできない。子供たちがたくさん来てくれて、途中までいいプレゼントができると思っていたんだが、これが野球の難しさ。現状を物語っている」。悔しさを押し殺して誰かを批判するようなことはしなかった。 益田の失敗が続いていて、セットアッパーの内との配置転換も考えられる展開だが、伊東監督は「現状、(ストッパーは)どっちかしかいない。またここから考える」と、言葉を濁した。 この日は、不振のアジャこと井上を登録抹消、平沢を2番で起用するなど、打線をまた組み替え、2度、2アウトからヒットが出るなど、粘りも出てきた。だが、6回に先頭の細谷の二塁打で作った無死二塁から追加点を奪えないなど、打撃陣のスランプは、まだ深刻な状況。エースの涌井が、恐怖の下位打線を持つソフトバンクを封じても勝てなければ、どこで勝てばいいのか。試合前に、林本部長が、伊東監督が要望を出した新外国人の獲得について「早めに動きたい」とコメントを残してはいたが、借金は13にまで膨らんだ。交流戦までにチームを立て直さなければ、ペナントレースから取り残されてしまうことになる。