ディズニーが日韓コンテンツに全力を懸ける理由、『SHOGUN 将軍』に続くヒットは生まれるか
会場では歌手のAdoがカバーした主題歌が披露され、その時の歓声も大きなものだった。ほかにも『呪術廻戦』の朴性厚監督が手掛ける『BULLET/BULLET』や、モバイルゲームから始まった『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』などが、2025年に配信されると発表された。 ■目立った韓国発のコンテンツ 日本以上に目立ったのが韓国の独自作品だった。2023年にアメリカ以外で制作された独自作品のうち、視聴回数に基づく指標の上位15作品中、9作品が韓国ドラマだったという。
中でもウェブトゥーン(縦読み漫画)を実写化した『ムービング』が世界的なヒットを記録。そうした結果を反映して、ディズニーは今後も韓国ドラマの配信を強化する。 『ムービング』の制作陣が再結集した『照明店の客人たち』(2024年12月4日配信)のほか、合計10本の実写ドラマが紹介された。うち6本の出演者や監督らが会場に登壇する力の入れようだった。そして発表会の最後に公表されたのが、ムービングシーズン2の制作だった。
日本からの発表で最も注目すべきは『旅するSnow Man』(仮)(2025年配信)だろう。人気グループSnow Manのトラベルリアリティショー。ディズニープラスの日本独自作品としては、初のバラエティ番組となる。 ネットフリックスやアマゾンプライムでも、バラエティ番組は会員獲得の原動力となっただけに、その効果が注目される。製作は日本テレビで、今後同社との協業がどこまで広がるかもポイントだ。 ディズニーのAPACプレジデント、ルーク・カン氏は、アジア発の独自作品に本格参入した3年間を「ディズニーがこれほど多くのアジア発コンテンツを手掛けたことはなく、一歩一歩、本当に小さなステップを踏んできた」と振り返る。
そのうえで「ディズニーは長期的にこの地域で独自作品を作っていく。今回のラインナップを見れば、それを実感してもらえるはずだ」と語る。 2019年11月の参入以来、苦戦が続いたディズニーの動画配信事業だが、ここにきて光明が見え始めた。11月14日に発表された2024年度決算では、動画配信事業が通期ベースで初めて黒字に転換。当日の株価は、前日終値と比べ一時10%超上昇した。 ■日韓の独自作品に「選択と集中」