急転、世界選手権ロシア代表入りのメドベージェワは初V狙う紀平梨花の脅威となるのか?
メドベージェワは、平昌五輪後にザギトワと同じだった“鉄の女”の異名をとるエテリ・トゥトベリーゼ・コーチの下を離れ、カナダ・トロントへ飛び羽生結弦らが師事するブライアン・オーサー・コーチとコンビを組んだ。しかし、結果はすぐには出ず、今季はGPシリーズのカナダ杯で3位、フランス杯で4位と一度も表彰台の頂点に立てず、世界選手権の代表選考を兼ねたロシア選手権では、今季ベストの205.90点をマークしながらも7位に終わっていた。 だが、それも「新しいコーチ、環境に慣れるのに時間はかかります。すぐに結果が出ないのは当然と言えば、当然だったのです」(中庭氏)というもので、大会の数をこなしながらフィット。ロシアカップ・ファイナルでは、222.90点をマーク。221.19点だったトゥクタミシェワの追撃から逃げ切り復活の予感を漂わせた。 「トゥクタミシェワは、トリプルアクセルがあり、技術点の高さが特徴ではありますが、最近安定感が増したとは言え、他のジャンプでのミスや内容により、演技構成点にはムラがあります。対してメドベージェワは、ジャンプ要素が決まりさえすれば、演技構成点が安定しており確実に順位は取れます」 中庭氏は、そう警戒した。 紀平とメドベージェワは昨年11月のフランス杯で直接対決。紀平がショートプログラムの2位から逆転優勝を果たし、メドベージェワはSPの3位からフリーでもダブルアクセルで転倒するなど4位に惨敗していた。だが、この数か月でメドベージェワは復調、あのときのメドベージェワとは同じではない。 また紀平と同じく今季からシニアデビューしたサモドゥロワは、5種類の3回転+3回転の安定したコンビネーションジャンプを持っている伸び盛りの選手だ。 GPシリーズは、アメリカ杯が3位、ロステレコム杯が2位でGPファイナル出場権を得て、そのGPファイナルでは5位だったが、204.33点をマーク。欧州選手権ではミスのない演技で213.84点を叩き出して優勝している。 「初出場で優勝するなど勢いに乗っています。紀平さん同様に今シーズンよりジュニアからシニアへ転向した選手です。また、彼女は2、3年ほど試合では大きなミスがなく、安定感のある演技が1番の武器です」と、中庭氏は評価している。