株の相続税はいくらかかる? 評価や計算方法、節税について税理士が解説
4. 株の相続にあたっての流れ
4-1. 株を相続するときに必要な手続き 株を相続するときには、以下のような手続きが必要です。 (1)誰にどの財産をどの程度相続するのかを記した遺言書の有無を確認。遺言書がある場合はそれに従う。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がいくつ株を相続するのか決める (2)証券会社に連絡して、被相続人(亡くなった人)の株の保有状況がわかる書類(証券会社からのお知らせや通帳履歴など)を確認する。それでもわからない場合には、証券保管振替機構(ほふり)に登録済開示請求依頼を行う (3)被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍、住民票除票の写しなどを準備する (4)残高証明書を手配する(依頼・相続人代表が相続発生日現在のものを請求可能)。相続が発生した日の終値の他、株の相続税評価額の基準となる月平均額の終値も出してもらう (5)相続発生日から4カ月以内に準確定申告(相続人が被相続人の生前の所得を代わりに申告・納税すること)をする (6)株の名義を被相続人から相続人に変更をする(名義変更) (7)相続発生日から10カ月以内に相続税の申告・納付をする 4-2. 株を相続するときに必要な書類 株を相続するときには、証券会社で相続の名義変更手続きを行うための書類を準備する必要があります。主なものは以下のとおりですが、場合によって他にも必要な書類が求められることもあるため、詳しくは証券会社に確認しましょう。 ・証券会社の名義変更依頼書 ・被相続人の戸籍謄本、住民票除票の写し、または法定相続情報一覧図 ・相続人の戸籍謄本、または法定相続情報一覧図 ・遺言書または遺産分割協議書の写し ・相続人全員の印鑑証明書 また、通常、証券会社に相続人名義の振替先口座が必要になるため、口座がない場合には開設します。
5. 株の相続税で困ったら税理士に相談
株の相続税は、規定の計算式を使って算出できるとはいえ、多くの専門知識が必要になります。特に非上場株式は計算が難しいこともあるので、基本的には税理士に相談するのがおすすめです。 税理士に依頼すれば、手続きに関する手間を省けるとともに、納税に関する多くのリスクを避けられるようになります。株の相続税に関して税理士に相談するときは、まず相続案件の実績が豊富な税理士を探すのがポイントです。多くの案件に携わっている税理士であれば、多様なケースに柔軟に対応できます。 そのうえで、実際に話をするときに、「株の相続税が、どのくらいかかるか?」「自社株対策には、どのような方法がよいのか?」「納税資金は足りるか?足りない場合の対策はどうするか?」などを聞くと良いでしょう。 なお、税理士に相続税計算や申告手続きを依頼するときにかかる費用は、相続財産の0.5~1%程度が相場です。 ただし、財産調査の手間が大きい場合や、申告作業の過程で新たに株が見つかって相続財産の額が増える場合、追加料金が発生する可能性があります。事前に見積もりを出してもらったうえで、内容について不明な点があれば聞くようにしましょう。