「〇〇と言えば?」“真っ先に思い浮かぶ企業”になるマーケティング戦略とは?
池田氏は、顧客は「いますぐ客」と「そのうち客」の2種類がいると説明する。どちらもほぼ文字通りの意味で、今すぐ買ってくれるか、今は必要がないがいつか買う客、という分け方だ。冒頭で池田氏が触れたように、リスティング広告は、「いますぐ客」を効率的に獲得するのに優れた手法である。
将来的に買う可能性があるが、「いま」欲しいわけではないのが「そのうち客」だ。商材によって購入するタイミングは、年に1~2回、数年に1回買うのか、濃淡がある。 ┌────────── 家のドライヤーや掃除機が問題なく動いているときに広告を見ても、多くの人は『今は要らない』とスルーします。耐久商材、専門商材、買い回り商材と言われる商品にとって、客はほぼすべて『そのうち客』になります。ターゲット外ではなく、タイミングが今じゃないだけ(池田氏) └────────── しかし、家電が壊れてすぐにでも買い替えたいとなると、「そのうち客」は一瞬にして「いますぐ客」へと変わる。
「そのうち客」の育成が競合との差別化につながる
「いますぐ客」がとる行動は検索だ。リスティング広告は「いますぐ客」にアピールするため効果的な施策だが、リスティング広告の誕生から20年。リスティング広告はやったら勝てる施策ではなく、やらないと負ける施策になっている。では、差別化につながる施策は何か。それが、「そのうち客」の育成だと池田氏は言う。
┌────────── ドライヤーが壊れたときに、『ドライヤー 売れ筋』『ドライヤー 機能』で検索するのではなく、『パナソニック ドライヤー』と検索する人がいます。この第一想起を獲得したい(池田氏) └────────── 「いますぐ客」だけにマーケティングをしても、手遅れの可能性すらある。ニーズが顕在化する前から、勝負ははじまっているということだ。
想起の最大化に取り組むことがマーケターの仕事の意義
売上の因果構造の図で、売上は「トライアル売上」と「リピート売上」に分けられることを示したが「トライアル売上」と「リピート売上」の売上の方程式が以下の図だ。