「〇〇と言えば?」“真っ先に思い浮かぶ企業”になるマーケティング戦略とは?
施策から入らず、因果を構造化して、問題を明らかにする
施策の効果がでない原因は、病気と飲む薬が間違っているからだ。どの病気に何の薬を飲むべきかを考えるときに、因果を構造化し、何が原因かを明らかにする必要があるが、どこに問題があるかを特定することは簡単ではない。池田氏は因果構造を理解するために、ダイエットを例に説明した。
体重は、摂取カロリーよりも消費カロリーが多ければ痩せる。食べる量をコントロールし、摂取カロリー以上に運動すれば痩せるのは明白なのに、それでもダイエットが難しいのはなぜか。単純な因果関係ではなく、上記の図のように因果が構造的になっているからだ。 企業のマーケティング課題も同じだという。自社の予算投下量、競合の動向など、要因は構造的につながっている。ひとつのことをすれば、全体の課題が解決するという単純な因果関係にはならない。因果を構造化して解きほぐし、最初に優先順位を高く時間とお金を使って解決するところを明らかにしないと、飲むべき薬は決まらない。 ┌────────── この業界のよくないところは、医者が診断を間違うだけではなく、患者(事業主)が医者(広告代理店やコンサルティング会社)に『今、話題の流行っているあの薬をください』と薬を買いに行ってしまうところ。医者が『あなたの飲むべき薬は診察してからじゃないと決められない』と言ってくれればいいのですが、『こちらです。いま売れていますよ』と売ってしまう。薬(施策)から入らず、因果の構造化をして、まずは病気を明らかにしてください(池田氏) └──────────
リスティング広告は「いますぐ客」に有効な手法
この論に立つと、「テレビCMを行ったから売れた」「ソーシャルでバズったから売れた」という単純な図式は描けない。全業界に共通する売上の因果構造をなんとか概念図化できないかと考えた池田氏が、著書『売上の地図』(日経BP社)で示したのが以下の図である。なお、初版出版時の内容から改良がされ、現在は“バージョン3”になっているとのこと。