だから「国保加入者」「65歳以上」はメタボ率が上がる…高すぎる国保料が生みだされる"負のスパイラル"
■科学的根拠が確かな健康になる2つの方法 「朝食摂取」と「歩くこと」は、単なる流行りの健康情報ではない。世界中で驚くほど膨大な研究報告があるのだ。 (1)朝食摂取 健康のために最低限やらなければいけないことといったら、「朝食摂取だけ」といってもいいほど、その効果は大きい。 東北大学加齢医学研究所の調査では朝食習慣のある学生のほうが志望する大学、それも偏差値の高い大学に入ったことがわかっている。さらに就職した会社、年収も、朝食摂取と関係がみられる。毎日朝食を摂取する人ほど第1志望の企業に就職し、年収が高いグループになるほど、小学生から朝食を毎日食べていた人の割合が高い。 なぜこのようなパフォーマンスの違いが起きるかというと、これには「体内時計」が深く関わる。 「体内時計とは主に約1日(24時間)周期、すなわち昼夜に合わせて体温やホルモン分泌など体内環境を変化させる機能の総称です」 と、明治大学農学部の中村孝博教授が説明する。2017年にノーベル生理学・医学賞の受賞理由にもなった「体内時計」は、地球上に住むほぼすべての生物がもつ生命の根本現象。そのため医学、薬学、理学、農学をはじめ、最近は情報科学系などの専門家も加わって、さまざまな方面から研究が進められている。世界規模では毎日新しい論文が発表されているといわれるほどだ。 ■体内時計のリセットに欠かせない「光と朝食」 「人体のあらゆる細胞――内臓器官、胃や腸、膵臓などをはじめ、皮膚や筋肉、血液に至るまで――には時計遺伝子が存在しています。そして日中に活動状態となり、夜は自然と眠くなるような1日周期のリズムを時計遺伝子が司っているのです」(中村教授) 時計遺伝子が作り出す体内時計はいつも正確に時を刻んでいるわけではなく、放っておくと徐々に時間がずれていく。そのため毎日、時計の針をリセットしなければ、正確なリズムが刻めなくなる。リセットに欠かせないのが、「光と朝食」だ。 脳には、体内時計の司令塔(中枢時計)が存在する。中枢時計が光(主に太陽光)を感じて時計を合わせると、臓器などに存在する時計遺伝子(末梢時計)へ時刻情報を伝える。末梢時計は中枢時計からの時刻情報に加えて、「食事」や「運動」などの刺激によってリセットされ、24時間のカウントを始める。このリズムが規則正しく刻めると、臓器の働きやホルモン分泌など、体の生理機能が働くべき時に十分機能する。 すなわち、その人のパフォーマンスが高まるのだ。