だから「国保加入者」「65歳以上」はメタボ率が上がる…高すぎる国保料が生みだされる"負のスパイラル"
■1日の歩数が多ければ多いほど「睡眠の質」が良好 日本呼吸器学会指導医で、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師は「できれば“食べたら歩く”を意識するといいでしょう。食後に血糖値が急上昇する状態が長く続くと病気や不調を招いてしまいますが、食後すぐに歩けば血糖値が急上昇しないことが報告されています」と説明する。大谷医師も朝食後の診察前に2000歩、昼食後の休憩時に3000歩、夕食後に4000歩を心がけているそうだ。また1日1万歩がベストだが、まずは8000歩くらいを目標にすると継続しやすいかもしれない。 それでも十分にさまざまな良い効果がある。 歩くことは死亡率低下やカロリー消費にとどまらず、全身の健康に貢献する。なんとがんや糖尿病、認知症の発症を予防し、腎機能の低下をゆるやかにするのだ。大谷医師は世界中からの論文を根拠に、ウォーキングのメリットや歩き方を著書『1日1万歩を続けなさい』(ダイヤモンド社)にまとめている。 同書ではそれぞれの根拠となる論文も示されている。個人的に驚いたのが、「睡眠と歩数の関係」だ。大分大学が平均年齢73歳の男女860人の毎日の歩数と睡眠について分析したところ、1日の歩数が多ければ多いほど「睡眠の質」が良かったという。また1日の歩数が多い人は夜中に目が覚める時間と回数が少なく、高齢者の睡眠障害の予防にも有効だと結論づけている。 歩く時間帯は「朝」がいい。体内時計がリセットされ、幸せホルモンといわれるセロトニンが分泌されるからだ。 早速明朝から始めよう。そして健康保険証を使うリスクを下げよう。医療にかからないとますます「保険料が高い」とブツブツ言いたくなるが、幸せに元気になると、「仕方ない。がんばるか」という意欲がわいてくる。 ---------- 笹井 恵里子(ささい・えりこ) ジャーナリスト 1978年生まれ。本名・梨本恵里子「サンデー毎日」記者を経て、2018年よりフリーランスに。著書に『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)、プレジデントオンラインでの人気連載「こんな家に住んでいると人は死にます」に加筆した『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中公新書ラクレ)、『老けない最強食』(文春新書)など。新著に『国民健康保険料が高すぎる! 保険料を下げる10のこと』(中公新書ラクレ)がある。 ----------
ジャーナリスト 笹井 恵里子