マツケンサンバ2の振付師・真島茂樹さん死去 「虚血性心不全」の症状や原因を解説
振付師でダンサーの真島茂樹さんが虚血性心不全で死去したことを所属事務所が公表しました。真島さんは松平健さんのヒット曲「マツケンサンバ2」の振り付けをしたことで知られており、同曲のヒットとともに人気を獲得。マジ―の愛称で親しまれていました。 虚血性心疾患とは心臓が酸欠を起こした状態です。無症状のまま進行する場合も多く、重大な発作が起こって慌てて病院に駆け込むというケースは少なくありません。虚血性心疾患の症状や検査方法について詳しく説明します。 ※この記事はMedical DOCにて【「虚血性心疾患」とは?症状や原因についても解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
虚血性心疾患の具体的な症状
編集部: 虚血性心疾患とはどのような状態ですか? 武井先生: 虚血性疾患とは、なんらかの原因で心臓の筋肉(心筋)への血流が停滞し、心臓が血液不足になることです。心臓に血液を送るのは、冠動脈という太い血管です。この冠動脈が狭くなったり、詰まったりすると、心臓の筋肉に十分な血液が流れなくなります。すると心臓が血液不足になり、虚血状態に陥ります。「虚血」とは「血がない」という意味です。心臓へ血液が流れなくなる原因は多くの場合、動脈硬化です。動脈硬化とは血管が硬化・収縮した状態を指します。結果、血管内部が狭まったり詰まったりして、その先の心臓へ血液が流れなくなるのです。血管内部が狭くなった状態は「狭心症」、血管内が詰まり心筋細胞が壊死した状態は「心筋梗塞」と呼ばれます。 編集部: 心臓に血がいきわたらないと、どのような影響が出るのですか? 武井先生: 血液がいきわたらなくなると心臓は酸欠状態になります。血液は全身に酸素を運んでいるためです。心臓が酸欠を起こすと、胸痛があらわれやすくなります。胸の広い範囲が締め付けられるように痛むのが特徴です。 しかし痛みの程度は個人差が大きいのが実情です。重症化するまで痛みがまったくあらわれない方も珍しくありません。虚血状態を長く放置すると、心臓の機能が弱まります。具体的には、血液を全身に送り出すポンプ機能が低下します。いわゆる心不全と呼ばれる状態です。また、虚血状態が長く続くと心臓に負担がかかり、心室細動という不整脈が起こることも少なくありません。 編集部: 心筋梗塞の症状について教えてください。 武井先生: 心筋梗塞は、心臓の血管が詰まり、その先に血液が流れなくなった状態です。心臓が酸欠になるため、痛みなどの症状があらわれます。 ・胸の強烈な痛み ・息苦しさ ・吐き気・嘔吐 ・冷や汗 一般的に、心筋梗塞の症状は15~30分以上続きます。そのため「このまま死ぬのではないか」というパニックに陥る方は少なくありません。たしかに心筋梗塞は放置すると命に関わりますが、発症後に、速やかに適切な治療(カテーテルの治療、心不全や不整脈などへの薬物治療)が重要となってきます。 編集部: 狭心症とはどのように違うのですか? 武井先生: 狭心症は虚血性心疾患の1種です。血管が狭くなるなどして、心臓への血液が一時的に少なくなった状態です。狭心症は心筋梗塞と異なり、心臓への血流が完全にストップするわけではありません。しかし心臓が酸欠になりやすいため、心筋梗塞と同じく胸痛・息苦しさなどの症状があらわれやすくなります。狭心症の発作は持続時間が短く、安静にして改善していく点が特徴です。心筋梗塞の症状が数時間に及ぶのに対し、狭心症は15分以内におさまることが一般的です。 編集部: 虚血性心疾患は遺伝するのでしょうか? 武井先生: 虚血性心疾患は遺伝することがあります。血縁に虚血性心疾患の発症者がいる方は、発症リスクが高くなります。しかし、虚血性心疾患自体が遺伝することは稀です。 遺伝するのは多くの場合、虚血性心疾患になりやすい体質です。たとえば糖尿病・高血圧などが該当します。また、遺伝的にリスクが高いといっても、必ずしも虚血性心疾患を発症するわけではありません。発症は生活習慣などにも起因します。遺伝的にリスクの高い方でも、食事・運動習慣の見直しなどによって発症を防げます。